トヨタ、リケジョを支援する基金を設立

2014年11月28日 16:22

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記事提供元:エコノミックニュース

 一時期なにかと取り沙汰された理系女子「リケジョ」だが、STAP細胞の騒動により若干そのイメージに傷がついた感もないわけではないが、トヨタ自動車<7203>は26日、いわゆる「リケジョ」と呼ばれる理系専攻の女子学生や女性技術者の育成に向けた基金財団を設立するとの発表を行った。支援内容には工学専攻の女子学生に教育ローンの利息分を給付する、またトヨタグループや製造業に就職した時にローンの元本相当額を給付するなどがある。こうした理系女子を対象にした基金の設立は、国内では初めてとのこと。トヨタ自動車は2014年12月下旬の登記を目指し、準備を進めていく。

 「トヨタ女性技術者育成基金」は理系を志望する女子学生数の拡大、そして継続的なキャリア構築支援により理系女子学生を育成し、自動車業界だけでなく製造業全体における女性の進出に貢献することを目的に設立され、主に大学進路を検討する女子学生を対象に「理系キャリアの紹介」、また工学専攻の女子学生に対して「理系キャリア構築の支援」、そして教育費用の支援などの活動を行うとしている。

 「理系キャリアの紹介」では自動車業界、エンジニアなどの魅力を伝える活動に注力し、理系女子学生の増加をはかる。さらには大学進路を検討している高校生(男女)を対象に、愛知県愛の高校にトヨタグループから女性技術職を派遣して講座を開催したり、女子大生コミュニティとの連携をはかるとしている。

 そして「理系キャリア構築の支援」では全国の工学専攻の女子学生(大学・大学院120名程度)を対象に、研究施設の見学会、懇談会の開催、女性技術職によるキャリア相談、教育費用の支援などを行う。

 どの業界においてもそうだが、「女性ならではの視点」というものはヒット商品を生み出すための大切な要素である。それは自動車業界、製造業においてもそうだろう。今後の日本経済を支えるのは女性の社会進出が不可欠であるといわれているこの状況において、こうした支援を行う基金の設立は歓迎すべきことだろう。この基金により、一人でも多くの優秀な「リケジョ」が誕生することを願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)

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