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長時間労働で悩む正社員と、低賃金に喘ぐ非正規社員
非正規雇用で働く人たちの「主な収入源」は「親の収入」と回答した人が40.3%となっている。残業をしないと仕事がこなしきれない層が25%近くいるのに対し、自分の生活を支えていく収入を得ることの出来ない層が40%近くいる歪んだ構造も浮き彫りになった。[写真拡大]
厚生労働省が9月末に「若年者雇用実態調査」を発表した。15歳から34歳までの若者を対象に実施した同調査で、若者の厳しい労働環境を浮き彫りになった。
正規雇用者の内、週50時間以上の長時間労働をしている人は、全体の22.5%。およそ4人に1人が長時間労働に従事しており、月80時間の「過労死ライン」を超えている人も全体の7.2%に達した。
実際に、現在の会社から定年前に転職したいと思っている人に、転職しようと思う理由について、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が 44.6%でトップになっているものの、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」40.6%と2番目に高い数値になっている。また、初めて勤務した会社をやめた理由についてみると、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が 22.2%でトップになっており、長時間労働に悩まされている、若年労働者に姿が明らかになった。
一方で、非正規雇用で働く人たちの「主な収入源」は「親の収入」と回答した人が40.3%となっている。残業をしないと仕事がこなしきれない層が25%近くいるのに対し、自分の生活を支えていく収入を得ることの出来ない層が40%近くいる歪んだ構造も浮き彫りになった。
給与に関しては、雇用形態別に賃金総額階級を見ると、正社員では「20万円~25 万円未満」が 33.1%と最も高い。しかし正社員以外の労働者では「10 万円~15 万円未満」が28.8%と最も高くなっており、正規社員と最大で一カ月に15万円近い差が生じていることになるのだ。そのため正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望をみると、「正社員として働きたい」が 47.3%となっており、性別にみると、男では62.2%、女では40.0%となっている。
長時間労働で悩む正社員と、低賃金に喘ぐ非正規社員。ただ正社員に関しても労使間で36協定を結び、残業代が支払われない場合もあるなど、賃金面について満足な状況でない場合もある。少子高齢化で労働人口の減り続ける日本で、将来の労働力の中核となる若者の使い捨てだけは防がなくてはならない。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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