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【業績で見る株価】IHIはジェットエンジン事業の好調を受け今3月期上方修正の可能性が高い
■株価本格的な水準訂正高へ
IHI <7013> は、好業績を評価して長期上昇トレンドに突入したと見られる。
同社は民間旅客機のほかに、実は航空自衛隊の戦闘機向けのジェットエンジンの開発も手掛けている。戦闘機の性能で一番、需要な部品はジェットエンジンである。エンジンをスタートすると常に内部は超高温となり、部品は痛む。中国の戦闘機餞-11は飛行時間が500時間を超えると、部品にひびが入り、ジェットエンジンを入れ替える必要が出てくる。その反面、航空自衛隊のF-15戦闘機は2000時間を超えても大丈夫だ。とくにブレードと呼ばれているタービンの羽根が中国機の場合、溶けてしまい、故障の原因となっている。それは、部品の素材が「単結晶」か「多結晶」かによって耐熱性能が格段に変っているという。
スクランブル(緊急発進)をかける航空自衛隊の戦闘機は24時間、エンジンをかけっぱなしにしておきますが、超高温に弱い中国機はそれができないのだ。そして、中国機のパイロットはエンジントラブルを気にしながら飛行するために、訓練時間が少なく、アクロバット飛行を嫌がるという。つまり、中国人パイロットの錬度が低いのだ。
ですから、IHIの持っているジェットエンジンの高い技術力は日本の安全保障上、非常に大切なものになっている。
もちろん、その技術が民間航空機のジェットエンジンにも生かされている。米国ボーイング「777」や欧州のエアバス「320」のエンジン部品交換で同社の技術力が大いに発揮されており、そして、自動車エンジンのターボチャージャー(過給機)の伸長、円安効果も加わって業績はすこぶる好調に推移している。
このため、今3月期9月中間期の経常利益は当初予想240億円(前年同期比2.7%増)に対して290億円(同24.1%増)前後を、そして純利益も当初予想の140億円(前年同期比9.8%増)を50億円ほど上回る190億円(同49.0%増)を達成した模様である。
ということは2015年3月期の業績も当然、期待される。決算発表は11月5日の予定であるが、通期の業績予想をどのような数字を発表するか分からない。売上高1兆4400億円(前期比10.4%)、経常利益570億円(同7.0%増)、純利益350億円(同5.6%増)を確保する見込みだが、上方修正が期待される。海外渡航者の増加を背景に民間旅客機の需要は高まる一方で、しかも、前述したように戦闘機向けの事業展開も今後、期待されるため、同社のエンジン事業を取り巻く事業環境は明るい。ということは、中長期的に判断して、同社の業績は好調に推移する可能性が強いと見ていいのではないかと考えられる。
ただ、目先的には5日の決算発表で仮に上方修正が発表されても材料出尽くしで、売られる可能性がある。しかし、そうなれば絶好の買い場と判断したい。くどいようだが、中期的に伸びる会社は、株価も長いこと上昇トレンドを描く可能性がかるからだ。
株価は13週移動平均線と26週移動平均線がゴールデンクロスを示現し、中期的な上昇波動に突入したと見られる。しかも、信用買いの回転も効き始めており、目先の動きはともかく、押し目があれば迷わずに、積極姿勢で臨みたい銘柄である。中期的には600円台乗せから700円を目指す動きとなろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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