資生堂、航空電子、キーエンスなど/本日の注目個別銘柄

2014年10月30日 16:42

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記事提供元:フィスコ


<6723> ルネサスエレク 836 +43買い優勢。前日に上半期の決算を発表、営業利益は505億円で前年同期比2.4倍となり、従来予想の460億円を上振れる着地となった。市場予想も20億円程度上回ったとみられる。一方、10-12月期の見通しとして営業利益は130億円と予想、7-9月期比で105億円の減少となるが、一部の事業譲渡などの影響が大きいほか、保守的な要素も強いといった見方になっているようだ。想定以上に底堅い決算として、評価の動きが強まる格好に。また、今年3度目となる早期退職優遇制度の実施も公表、一段の収益力向上につながるといった見方へ。

<1942> 関電工 578 +66急伸。前日の引け後に上半期の決算を発表、営業利益は44.6億円で前年同期比7%増益、従来予想の38億円を上回った。第1四半期が大幅減益となっていたため、市場コンセンサスは会社計画以下の水準でもあった。足元での想定以上の収益モメンタム回復を評価する動きが優勢に。0.5倍台のPBR水準には割安感是正の余地が大きいといった見方も。

<4911> 資生堂 1733 -64さえない。本日、業績の観測報道が伝わっている。中国における在庫回収費の計上に加えて、消費増税の影響に伴う国内化粧品事業の低迷で、今期営業利益は期初計画の420億円から150億円超下振れる公算が大きいとされている。市場コンセンサスは会社計画並みの水準であったため、明日の決算発表を前に、警戒感が強まる状況となっているようだ。

<6861> キーエンス 50360 +2745強い動き。上場来高値を約1ヶ月ぶりに更新して、初の5万円台乗せとなっている。今上期営業利益は前年同期比31%増の822億円で過去最高益を更新、リーマンショック後では初となる営業利益率50%台乗せへ。市場予想を40億円程度上回る水準とみられる。好決算の発表に加えて、配当予想を大幅に上方修正、年間配当金は60円から200円にまで増配へ。7年ぶりの増配となる。配当利回りや配当性向の水準は低いものの、株主還元策の強化に向けた変化と捉えられ、ポジティブなインパクトへとつながっているようだ。

<4689> ヤフー 390 -23売り優勢。前日の決算発表を受けて、売りが優勢となっている。上半期営業利益は947億円で前年同期比4.1%減、計画の934億円は上回ったものの、市場予想は960億円強の水準には届かなかった。また、10-12月期の営業利益見通しは452-473億円、同9.4%減-5.1%減としており、減益基調が継続の予想。増益トレンドへの転換が期待されていただけに、失望感が強まる格好となっている。

<1870> 矢作建設 811 +97急伸。前日に業績予想の上方修正を発表している。上半期営業利益は29億円から37.5億円に、通期では58億円から67億円に増額修正。一般建築工事の受注が想定を上回っており、施行も順調に進展していることが業績上振れの背景に。第1四半期は48%の大幅営業減益であったことから、28%増益に転じた上半期決算を評価する動きが優勢に。株価も安値圏にあったため、見直し余地が大きくなっている。

<6807> 航空電子 2050 -138下げ目立つ。前日に上半期の決算を発表、営業利益は106億円で前年同期比75.5%増益、従来計画の98億円を上振れる着地となった。通期予想は203億円から217億円、前期比31.5%増にまで上方修正している。実績値は市場コンセンサス並みであり、通期予想はコンセンサス水準に近いところまでの上方修正に。想定通りの好決算であるが、業績期待の高い銘柄でもあったため、目先的な出尽くし感が先行する状況となっているもよう。

<2212> 山パン 1366 -95大幅安。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は131億円で前年同期比6%増益、通期計画は225億円、前期比36%増益見通しを据え置いている。実績数値に関しては、ほぼ市場想定通りの水準とみられ、インパクトは大きくないが、高値圏にある株価の利食い売りのきっかけにつながる格好のようだ。UBSでは、デイリーヤマザキの損失拡大を懸念しているほか、菓子パンのモメンタムにも鈍化の兆しと指摘している。

<7211> 三菱自動車 1105 -43売り優勢。前日に上半期決算を発表、営業利益は627億円で前年同期比23%増益、先の上方修正に沿った数値となっている。通期予想は1350億円、前期比9%増益を据え置いている。上半期の上振れに合わせて、通期予想も上方修正されると見られていただけに、失望感が優勢となる展開のようだ。タイやロシアなど新興国の落ち込みに対する警戒感など強まる状況にも。《FA》

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