【中国の視点】円安で輸入コスト増、消費増税は先送りの可能性大

2014年10月29日 08:30

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:33JST 【中国の視点】円安で輸入コスト増、消費増税は先送りの可能性大
安倍晋三首相はこのほど、消費税率を現行の8%から10%への再引き上げについて、経済への打撃が大きすぎるなら「意味がない」との認識を示し、増税時期の先送り可能性を示唆した。

中国のエコノミストは、円安の進行で日本の輸入コストが大幅に増加しており、この時期で消費税を再度引き上げれば、安倍政権の支持率が低下する可能性が高いとの見方を示した。そのため、日本政府が増税時期を先送りする公算が大きいと予測している。

デフレを脱却する目的で日本銀行が2%のインフレ目標を設定しており、それを達成するため、円安政策や大胆な金融緩和(アベノミクス)が導入され、これが隔靴掻痒(かっかそうよう)の感であると指摘された。

円安に伴う輸入コストが大幅に増加し、給与所得者中でも中小企業の従業員の給与はほぼ横ばいになっているため、実質所得が減少していると指摘された。また、産業の空洞化に伴い、円安が日本の輸出増加ペースの加速に大きく寄与することができず、円安だけでデフレや日本経済を刺激することができないと分析された。

エコノミストは、日本経済を改善させるには、新たな成長分野の育成や構造改革などに注力する必要があると指摘。急速な円安などを利用して一時的な繁栄を求めても長続きしないとの見方を示した。《ZN》

関連記事