日経平均は26週線キープ、中期投資には好買い場提供=犬丸正寛の相場展望

2014年10月10日 15:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  NYダウ、日経平均の急落で、「短期売買筋」には、やり難くなったものの、「中期投資」の向きには好買い場提供といえるだろう。

  日経平均に影響を及ぼしたNYダウの下げは、IMF(国際通貨基金)が、今年の世界経済成長率を下方修正したためだ。とくに、ドイツなど欧州経済が減速からデフレ懸念がもたれている。これに、エボラ出血熱、イスラム国問題もある。

  これらの材料は、先行きアメリカ景気に悪影響となることは予想され、先を読む株価が下がるのもうなずける。

  しかし、現実のアメリカ景気は好調である。既に、NYダウは9月19日の最高値1万7350ドル(場中)から4%強下げ、PERも15倍台に低下している。短期的には下げ過ぎとみられる。しかも、IMFの下方修正により、くすぶっているアメリカの金利引上げは遠のく可能性がある。

  一方、日本は輸出型の大企業中心にミクロは好調。しかし、GDPの落ち込みにみられるようにマクロは芳しくない。この背景の中で消費税10%への決断が迫っている。

  NYダウの急落でマーケットでは、消費税10%判断は半年延ばしの見方が急速に浮上している。「IMFという有力機関が世界経済の不振を表明したのだから、日本政府、日銀としては、想定外の世界景気落ち込みという口実はつく。今の局面では、消費税10%はとても無理だろう。昨年のような異次元金融緩和があっても効果は期待できないかもしれない」(中堅証券)という雰囲気だ。

  日経平均は短期筋にとって相場の強さの目安となる25日線を日経平均は大きく割り込んだ。しかし、3~6ヶ月を目処とする中期投資の拠りどころとなる週足・26週線接近で日経平均は下げ止まっている。

  中期投資筋には、9月中間決算の好調期待、アベノミクス第2章への期待、さらに、政府の貯蓄から投資へ政策などから相場の基調は強いとみている。高値圏では買い難かった中期筋には、今度の下げは好買い場提供とみているわけだ。

  NYダウも下げ過ぎの感があり、反発に転じる可能性もある。そうなれば、日本のマーケットも大きく下げた銘柄には短期狙いの妙味が加わり短期筋にも買い場探しの場面を迎えているといえるだろう。悲観人気は禁物といえる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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