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インドから世界へ輸出計画 高級ブランドとしてのTOTO
今年7月からインドでの生産を開始したTOTOは今後さらに現地での事業拡大を進めて行くことを明らかにした。TOTOがインドに進出を開始したのは2002年。当初は市場調査が主であり、商品としての便器を輸入販売する形で徐々に認知度を広げていった。[写真拡大]
今年7月からインドでの生産を開始したTOTO<5332>は今後さらに現地での事業拡大を進めて行くことを明らかにした。TOTOがインドに進出を開始したのは2002年。当初は市場調査が主であり、商品としての便器を輸入販売する形で徐々に認知度を広げていった。そして11年になってようやく現地法人「TOTO India」を立ち上げた。翌12年にはグジャラート州に60億円をかけて年間50万個の生産能力を持つ製造工場を設立し、今年7月から本格稼働している。今後はインドの新工場を拠点に、中東やアフリカ、欧州への輸出も視野にいれ、販路を拡大していく方針だ。
経済成長が著しいインドでは、これからさらにトイレの需要が伸びていくと予想されている。インドにおける家庭でのトイレ普及率は5割以下と低いものの、富裕層などを中心に高級志向が高まりつつある。近年は便器の販売台数が4~5割増で推移しており、TOTOは2万円程度の高級便器が主力商品となると見ている。また洗浄器付き便座「ウォシュレット」の販売も強化していく予定だ。新工場からの本格出荷は9月からとなり、都市部のマンションに向けた販路を開拓していく。
17年には創立100周年を迎えるTOTOだが、それに伴い「TOTO Vプラン2017」の計画を掲げ、海外事業推進に力を入れている。現在、海外での売上高の多くは中国での販売が占めているが、アメリカ、ブラジル、タイ、インドネシア、ベトナムでも販売を加速していきたい考えだ。特に1977年からいち早く参入したインドネシアでは、すでにTOTOが高級ブランドとして定着しており、他の地域においても高級路線を築いていくことを目指している。今後17年までの計画においては海外投資額をこれまでの2割以上増やし、インド以外にも東南アジアなどで工場建設を行っていくことも検討している。
インドのムンバイ国際空港でもTOTOの技術は高い評価を受け、節水や自動水栓機能などの品質の高さから空港内のトイレに商品の採用が決まっている。インドで会見した喜多村円社長は「2017年度にはインドでの年間販売数は10万個を超えるだろう」と述べ、強気な姿勢を見せた。(編集担当:久保田雄城)
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