三菱電機、サガハイマット向けに「重粒子線スキャニング照射装置」を納入

2014年9月14日 23:44

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九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)施設のレイアウト図(三菱電機の発表資料より)

九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)施設のレイアウト図(三菱電機の発表資料より)[写真拡大]

  • 治療室のイメージ(三菱電機の発表資料より)

 三菱電機は12日、佐賀県鳥栖市にある九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)向けの「重粒子線スキャニング照射装置」を佐賀国際重粒子線がん治療財団から受注したと発表した。2017年中にサガハイマットの3つ目の治療室の設置する予定。

 サガハイマットは、2013 年 5 月に設置された九州初の重粒子線がん治療施設で、同社が重粒子線がん治療装置を納入し、運用サポートを行っている。今回納入する装置では、重粒子線ビームを細く絞ることで、がん病巣に対してより的確にビーム照射を行うことが可能となり、患者の負担が軽減されるという。また、高効率のビームを採用し、加速器での消費電流を減らした。さらに、照射精度が向上したことにより、腫瘍の形状にあわせて重粒子線の深さ方向の到達範囲を調節する「ポーラス」と、がん病巣だけに照射するように照射の横方向の範囲を制限する「コリメータ」の2つの消耗品が不要となり、廃棄物が減らせるという。

 なお、今回の装置は、群馬大学重粒子線医学研究センターおよび放射線医学総合研究所が有するスキャニング照射技術の知見に基づいて製作される予定。(記事:松本 茂樹・記事一覧を見る

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