国内でのデング熱感染拡大

2014年9月7日 19:06

印刷

記事提供元:スラド

maia 曰く、 直近に海外への渡航履歴がない人では約70年ぶりとなる、デング熱の国内での感染が8月27日(発症は20日で確認は26日)に公表された(デングウイルス感染症情報厚生労働省の発表MSN産経ニュースの記事47NEWSの記事)。

デング熱は人→蚊→人の経路で感染する。当初の感染場所は全て代々木公園で、8月中の事のようであった。その後発症例の集計が進み、厚生労働省の発表では9月4日の第6報で55人に達し、5日現在では72人となったようだ。ほとんどは代々木公園で感染したようだが、1人は新宿中央公園で感染した可能性が高い。6日の情報では男性1名が外濠公園か明治神宮外苑のいずれかで感染した可能性があるという。また報道ベースでは明治神宮で感染したという話もある。産経の記事では「国内に生息するヒトスジシマカはウイルスの増殖能力が低く大流行を起こしにくい」とされており、実際に重症例も出ていないが、厄介な事ではある。

 6日には新たに2名の感染が確認され、感染者は計74名となっている。このうち1名は上述の男性で、代々木公園にも新宿中央公園にも行っておらず、明治神宮外苑や外堀公園で蚊に刺されたと話しているとのこと。環境省は感染者が蚊に刺された場所に近い新宿御苑を7日から閉鎖し、調査を行う。また、代々木公園で蚊に刺されてデング熱を発症した女性が横浜市金沢区の「海の公園」で蚊に刺されたと話していることから、横浜市では5日から公園の一部を閉鎖して調査を開始したとのことだ(YOMIURI ONLINEの記事NHKニュースの記事MSN産経ニュースの記事)。

なお、デングウイルスを媒介するヒトスジシマカの幼虫は、盃一杯程度の水があれば成長できるとされている。雨が降った後は自宅などの周辺を確認し、たまった水を捨てることをお勧めする。可能であれば水のたまりそうなくぼみなどをふさぐといいだろう。

 スラッシュドットのコメントを読む | 医療

 関連ストーリー:
蚊を遺伝子操作してメスを少なくすることでマラリアを防ぐ技術 2014年06月16日
蚊に好かれないようにするポイントは? 2013年07月18日
対蚊ミノフスキー粒子? 蚊がターゲットを検知するのを防ぐ技術 2012年10月26日
蚊が雨粒の衝撃に負けないのは何故? 2012年06月06日
タンザニアの研究者、蚊を引き寄せる効果のある臭いを合成 2011年07月30日
虫除けスプレーへの耐性を持つ蚊が現れる 2010年05月14日
マラリアの「ワクチン」を蚊によって媒介させる実験 2009年08月02日
対蚊レーザーシステム開発中 2009年03月18日
ビルゲイツ、講演で蚊を放つ 2009年02月06日
今年の夏は日本脳炎にご注意を 2008年07月31日
「超音波蚊よけ器」に効果なしと排除命令 2007年11月21日
デング熱治療薬開発に分散コンピューティングを活用 2007年08月29日
英国で「蚊にさされにくい体臭」を研究、虫よけ剤開発へ 2006年07月12日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事