フルキャスト、東洋ゴム、山一電機など/本日の注目個別銘柄

2014年8月11日 16:38

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記事提供元:フィスコ


<9984> ソフトバンク 6836 +35買い先行後はやや伸び悩む展開に。先週末に決算を発表、第1四半期営業利益は市場予想を上回る水準となった。営業利益は3376億円で前年同期比15.6%減、会社側通期計画1兆円に対して34%の進捗と順調なすべり出しに。昨年度の第1四半期には一時的な利益が計上されており、市場予想は3000億円レベルであった。セグメント利益では移動通信事業がけん引役に。株価が安値圏にあるなか、全体相場の改善もあってリバウンド色を強めるとみられたが、TモバイルUSの買収に絡んだ不透明感などからか、戻りは限定的な状況にとどまっている。

<3436> SUMCO 821 -108売り優勢。先週末に上半期の決算を発表している。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は126億円で前年同期比6.4%増益、会社計画や市場予想並みの水準で着地。一方、7-9月期の業績見通しを示しているが、営業利益は59億円で、前四半期の75億円、市場予想80億円程度を下回っており、ネガティブ材料と捉えられている。製品値上げによる収益向上への期待感などが低下する状況にも。

<7762> シチズンHD 742 -58さえない。先週末に発表した第1四半期の決算内容が嫌気されている。営業利益は45.7億円で前年同期比29%増となったが、市場予想を下回ったほか、会社計画も5億円程度下振れたようだ。主力の時計事業において、米国Bulovaブランドのリブランディング費用が膨らんだもよう。一時的な費用増ではあるものの、通期業績の上振れ期待などは後退する格好になっている。

<3656> KLab 1875 +116大幅反発。ミクシィ<2121>が期待値を上回る好決算を発表して買い気配スタート、同社をはじめ、コロプラ<3668>やエイチーム<3662>などゲーム関連の一角は連れ高する展開に。ミクシィの決算発表後、出尽し感からの連れ安などを想定する動きが先行していたようだ。同社も7日好決算を発表しているが、地合い悪の中で先週末は急速に伸び悩む展開となっていた。

<4848> フルキャスト 462 +80上昇率トップ。先週末に上半期の決算を発表しており、買い手掛かり材料とされている。営業利益は6.7億円で前年同期比6.9億円の収益改善となり、従来予想の4.2億円(3.9億円から4.6億円のレンジの中心値)を上回る着地となった。アルバイト紹介などの新サービスが順調なもよう。通期計画は、7-8.5億円のレンジとしていた従来予想から、13.7-14.7億円のレンジに上方修正している。値動きの軽さなども妙味に、短期資金の関心が集まる展開のもよう。

<5105> 東洋ゴム 1678 -219大幅安。前場中に発表した上半期の決算内容が嫌気されている。通期営業利益は従来予想の400億円から455億円に上方修正、年間配当金予想も30円から40円に引き上げているが、上半期実績が従来計画を下振れる着地になったことが弱材料視される。上半期営業利益は215億円で前年同期比56%増と大幅増益になったが、第1四半期決算時に180億円から230億円に上方修正していたため、想定比下振れは想定外との見方が優勢に。なお、通期の市場コンセンサスは現状で475億円レベルとなっている。

<6941> 山一電機 729 +79急伸。先週末に発表した第1四半期決算が評価材料に。営業利益は6.8億円で前年同期比5倍となり、上半期予想は4.6億円から11億円にまで上方修正、従来の通期計画10億円を上回る水準に。通期予想は未定としている。モバイル機器や車載機器の需要拡大に伴う半導体メーカーの設備投資活発化が業績上振れの背景に。好決算期待は高かった銘柄であるものの、想定以上の業績上振れと捉えられる形。

<2181> テンプHD 3605 +310買い優勢。先週末に第1四半期の決算を発表、営業利益は前年同期比43.6%増益、上半期計画の増益率9.2%増益に対して順調なスタートに。全セグメントにわたって好調な決算であったもよう。三菱UFJでは投資判断「アウトパフォーム」継続で、目標株価を3500円から4500円にまで引き上げ、今期は利益の上振れ分を積極的な先行経費に投入するとみられ、来期好業績を織り込みやすい展開になっていくと評価。

<6841> 横河電機 1206 -47売り先行。先週末に第1四半期決算を発表している。営業利益は26.1億円で前年同期比21%減益となり、増益期待も高かった市場予想を下回る水準に。第1四半期決算を受けて、クレディ・スイス(CS)では投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も1700円から1300円に引き下げ。アフター比率が高い国内制御市場縮小の利益への悪影響が想定以上であること、海外制御事業は販管費負担増で収益性の急回復が期待し難いこと、今期業績予想の切り下がりが懸念されることなどを格下げの背景としている。

<1963> 日揮 2992.5 +87後場は買い先行。前引け後に決算を発表、営業利益は129億円で前年同期比16%減益、ほぼ市場想定線での着地となった。一方、受注高は4805億円と大幅に拡大しており、ポジティブ材料視される形にも。ただ、買い一巡後は一時伸び悩む場面、ロシアの大型LNGプラント受注に関しては織り込まれていた面も。なお、クレディ・スイス(CS)では「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に投資判断を格下げ、予想以上の利益率低下が懸念されるなど、業績に対する不確実性が高まった印象と。《FA》

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