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オムロンが超小型エレクトレット振動発電器をアライアンスのブースで発表
オムロンの20×20×4mm/重さ3.7gの超小型の発電体を2個組み合わせた発電モジュール「BP-02」。テスト装置に上に載った黒い箱がそれ。38×54×10mm/22gの寸法から5.2V/0.1mW(暫定値)の電力が得られるという[写真拡大]
「エレクトレット環境発電アライアンス」が、7月23日~25日に東京ビッグサイトで行なわれた「TechnoFrontier2014」に出展し、エレクトレット振動発電器で駆動する小型無線モジュールなどを展示した。
同アライアンスは、東京大学大学院工学系研究科(機械工学専攻・鈴木雄二研究室)、オムロン株式会社、旭硝子株式会社、THHINK Wireless Technologies JAPAN社、テクノデザイン株式会社、小西安株式会社が協働で、世界最小クラスのエレクトレット振動発電器の啓蒙と普及に向け2013年7月に設立した組織だ。
エレクトレット振動発電とは、半永久的に電荷を保持可能な絶縁体であるエレクトレットを用い、環境中に存在する微弱な振動などを電気エネルギーに変換する技術で、地球環境のなかに薄く広く存在する光・熱・振動・電磁波などのエネルギーから微弱な電力を取り出す「環境発電(Energy Harvesting/エネルギー・ハーベスティング)」のひとつだ。電池交換やメンテナンスを必要とせず、持続的に電力を供給できることから、自立型無線デバイスの実現に貢献する技術になると期待されている。
エレクトレットとは、半永久的に電荷を持つ誘電体で、イギリスの物理学者Oliver Heaviside(オリバー・ヘヴィサイド)氏によって名付けられた。Electron(電子)とMagnet(磁石)を組み合わせた単語だ。
つまり、エレクトレットとは強い誘電性をもった絶縁体に電場を加えて電気分極を起こし、その電場を去っても帯電が保たれている物質のこと。磁場の中に置いた強磁性体が磁化してできる磁石をマグネット(magnet)と呼ぶのに対応した名称といえる。エレクトレットは,1924年に江口元太郎氏が世界に先がけてカルナバ蠟と松ヤニを混合して溶融し,直流電圧を加えて電気分極して固めて作ったことで知られる。江口氏の技術は現在まで、コンデンサマイクロフォンなどで応用されてきた画期的なエレクトレットである。
今回、「TechnoFrontier2014」ブースでオムロン(OMRON)が展示した振動発電デバイスは100円硬貨ほどの20×20×4mm/重さ3.7gの超小型の発電体で、直流電流を生み出す。発電電極部にはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いて小型・高効率化を図った。実際の製品では、このデバイスを2個以上組み合わせて大きな電力を獲得する。最小の2個搭載した発電モジュール「BP-02」型製品でも、38×54×10mm/22gの寸法から5.2V/0.1mW(暫定値)の電力が得られるという。
これら発電モジュールと無線通信を組み合わせたアプリケーションはさまざまな分野で応用できそうで、商業ビルの構造管理・監視。鉄道などのインフラ管理・監視などのほか、集合住宅セキュリティ、商業定温倉庫監視などが考えられる。(編集担当:吉田恒)
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