丸紅、シドニーの都市鉄道事業に参画

2014年7月22日 10:21

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記事提供元:エコノミックニュース

 丸紅<8002>が、オーストラリアにおける最大規模の都市鉄道事業に参画する。18日、丸紅は香港最大の鉄道運営会社やオーストラリアの大手建設会社などと共同で、オーストラリアのシドニー市北西部の全自動運転の鉄道システムの建設・運営に参画するとの発表を行った。ニューサウスウェールズ州により実施されたシドニー近郊鉄道システムの事業権入札で優先交渉権を得た。オーストラリアでの鉄道で、全自動運転が行われるのは初めてのこととなる。

 2014年の秋ごろにも香港のMTR Corporationや、オーストラリアのLeighton Contractors、Plenary Group、Palisade Investment Partners、スイスのPartners Groupと共同出資会社を設立する予定で、年内にもニューサウスウェールズ州政府と契約を結び、19年の開業を目指す。事業規模や新しく設立される会社の出資比率などはこれから詰められる。ニューサウスウェールズ州政府はシドニー市北西部で新線の建設と既存の路線の改修、合わせて36キロメートルの鉄道の整備事業を開始している。そして丸紅などはオーストラリアで初めてとなる全自動運転の鉄道システム建設や運営、そして保守などを請け負う予定だ。

 今後丸紅などは、ニューサウスウェールズ州と連携して、14年後半のファイナンスを含めたパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)契約の締結・発効を目指すとしている。資本金の額などは明らかにされていない。しかし上記の香港のMTR Corporationなどが出資し、丸紅が最大となる模様。また開業時期は19年を計画しており、総事業費は約8000億円とされている。

 今回のシドニー市北西部の全自動運転の鉄道システムの建設・運営以外にも丸紅は、11年にゴールドコースト市の路面電車システムにPPP事業者の最大株主として参画している。その後、オーストラリア鉄道PPP事業を重要分野と位置付けて事業展開に注力してきた。11年に参画したゴールドコースト市の路面電車システムは、同年6月に着工され、それから約3年の建設期間を経て、今月中に開業されることとなっている。(編集担当:滝川幸平)

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