東特線、MUTOH、NTTなど/本日の注目個別銘柄

2014年7月8日 16:37

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記事提供元:フィスコ


<6952> カシオ計算機 1571 +109買い先行。CB発行、自社株買い、自己株式の消却を前日に発表している。CB発行によって100億円を調達、自己資金を上乗せして125億円を上限とした自社株買いを実施する計画。自社株買いは最大850万株で発行済み株式数の3.2%に当たる。自社株買いの総額が大きいことで、一株当たりの価値向上が期待される格好に。また、当面の需給改善期待なども先行する状況とみられる。なお、1000万株の自己株式消却も発表、株主還元姿勢の強さなどが認識される状況にもなっているようだ。

<9432> NTT 6512 +95堅調。UBSでは投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も5300円から7600円に引き上げている。NTTドコモ<9437>の業績改善、自社株買い、設備投資削減などにより、11 年度から15年度のEPS成長率60%の達成が見込まれると評価。株価の再評価を促していくと考えているようだ。カバーする通信株の中で最も割安とも指摘。なお、UBSではKDDI<9433>の投資判断は格下げしている。

保険セクター業種別下落率トップになっている。T&DHD<8795>、NKSJ<8630>、東京海上<8766>などが下落率の上位に顔を連ねる展開へ。大型台風が沖縄に接近、台風の基準で初めてとなる特別警報が出されている。台風被害の拡大に伴う保険金支払いの増加が懸念される格好となっているようだ。バークレイズでは各社の目標株価を引き上げているが、今後は材料不足の状況も想定されるとしている。

<2501> サッポロHD 434 +12しっかり。野村では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価を450円から520円に引き上げている。7月15日に発泡酒として再発売される「極ZERO」の受注が足元で好調、過度な先行き懸念は払拭されるとみているようだ。今12月期上期業績は社内計画を上回る進捗、今後は来12月期以降の大幅増益を織り込むタイミングになったと考えている。なお、酒税改正の可能性に関しては、ビール構成比が高いことで比較的ポジティブとの見方が多いもよう。

<8095> イワキ 238 +29急伸。前日に上半期の業績予想を上方修正している。5月中間期の営業利益は従来予想の4億円から6.1億円に、最終利益は2.5億円から3.2億円に増額へ。ジェネリック医薬品市場の拡大を背景に、外皮用剤を中心に医薬品事業が伸びたもよう。医薬品原料もジェネリック医薬品向けに拡大したようだ。後発医薬品市場の成長に伴う業容拡大期待などがあらためて高まる状況にも。

<7283> 愛三工業 862 -71実質下落率トップ。公募増資の実施を発表しており、株式価値の希薄化がマイナス材料視されている。550万株の公募増資、並びに、オーバーアロットメントでの売出80万株を予定。発行済み株式数は最大で11%増加することになる。工場設備の増強などが主な調達資金の使途になる。シティでは、財務面で大きな懸念がなかっただけに、現状株価水準での増資決定には意外感と指摘している。

<5807> 東特線 177 +19一時ストップ高。本日は前場から低位電線株の一斉高の動きが目立っている。特に材料は観測されず、足元で活発化している低位材料株循環物色の流れが根底にあるとみられる。台風による電線被害を先取りといった見方もあるが、もともと、特定資金の介入観測が強かった銘柄でもあり、仕掛け的な動きが株価上昇のきっかけと捉えられる。なお、本日は沖電線<5815>の株価上昇が関連株高を主導する格好であるが、沖電線にも一部特定資金の流入観測が挙がっているもよう。

<2580> コカイースト 2884 +170上げ目立つ。前日には2月12日の年初来高値を更新、上値妙味が広がる状況下で、信用倍率が0.1倍台と売り長の状態にもあることで、買い戻しの動きなどが強まる格好になっているようだ。また、前日にはTOPIX浮動株比率の定期見直しが発表になっている。同社の浮動株比率は0.306から0.45に上昇、一部の試算では120万株強の買い需要、4日分以上の売買インパクトが発生すると試算しているようだ。

<7999> MUTOH 548 +25買い優勢。3Dプリンター事業の売上高について、3年以内に50億円に引き上げると報じられている。今期見込み比では2.5倍の水準になる。6月末に最大造形サイズを従来比約4倍にした機械を出荷したほか、今後も年間2-3機を投入する計画のようだ。市場拡大が想定される分野における積極展開を評価、あらためて業績成長期待が高まる状況に。

<3941> レンゴー 475 -16さえない。メリルリンチでは投資判断「アンダーパフォーム」継続で、目標株価を470円から450円に引き下げている。製紙業界の第1四半期業績は、他業界との比較で進捗が鈍い印象と指摘している。同社に関しては、第1四半期営業利益は20億円で前年同期比65%減益を予想、会社側上半期計画に対して27%の進捗にとどまると想定へ。原燃料コストの増大などでスプレッドが悪化した可能性と。《FA》

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