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「人口流出」で地域消滅? 『グランドデザイン』が示す2050年の日本
これまでも不安視されてきた人口減少の問題だが、ついに危機がすぐそこまで迫ってきた。今、地方が消滅の危機にさらされている。先月、国土交通省は2050年までの国土づくりの考え方を示した「新たな『国土のグランドデザイン』」の案をまとめた。この「グランドデザイン」によると、50年には現在人が住んでいる地域の19%が居住者のいない「無居住化」し、44%の地域で人口が50%以上減少するという。さらに、地域の核となる人口30万人以上の都市圏は61から43まで激減することが見込まれ、都市機能の維持も課題に挙げられている。
国土交通省の発表と同時期に、総務大臣も務めた増田寛也元岩手県知事が座長を務める日本創成会議も人口減少の推計を発表した。この「増田論考」は、全国約1,800市町村のうち523自治体では人口が1万人未満となって消滅すると警鐘を鳴らしている。
この人口減少の理由をご存知だろうか。まず真っ先に思いつくのは少子高齢化だろう。確かに少子高齢化が大きな理由の一つであることは確かだが、原因は他にもある。それが、「人口流出」だ。人口流出とは、地方から大都市圏への転出、主には東京圏への転出のことだ。東京圏への転入者は90年代後半から増加している上、東京圏に転入したままとどまる「滞留者」が増加していることも東京圏への人口集中に拍車をかけている。
人口流出に地方はどのように対応すべきなのだろうか。「グランドデザイン」では東京圏への転入のピークは高校卒業後の大学進学時と大学卒業後の就職の時期と明示されている。この転出のピークからもわかるように、人口流出の要因は「職」「教育」が大都市に独占されていることである。
地方都市は高度経済成長期から現在に至るまで、企業誘致や公共事業で「ミニ東京」を作ることに腐心してきた。しかし、「ミニ東京」が東京に勝てないのは火を見るよりも明らかだ。人口全体のパイが減りつつある今、東京に人が集まっていくのは仕方のないことだろう。必要なのは東京一極集中に歯止めを掛けるか否かを決め、それに従った政策をとっていくことだ。増田元知事は「歯止めを掛けるという考えに合理性はない」という。50年の日本はどうあるべきか。まさに日本の「グランドデザイン」を考えなければならない岐路に日本は立っている。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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