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中国のママは育児のディレクター 電通が母親視点からマーケティング活動を支援
中国では育児の現場は祖父母が主体で、ママは育児を指揮するディレクター的な存在なのだという。電通<4324>は7月1日付で、母親視点から企業のマーケティング活動を支援するチーム「ママラボ」を中国に立ち上げる。
同社は2009年3月、「ママラボ」を本社内に設置し、消費者研究データやメソッドをベースに、母親視点の企業マーケティング支援サービスを提供してきた。今回中国に拠点を置く電通グループ各社のプランナーをネットワーク化し、ママラボのノウハウを同地のグループ各社でも活用できるようにした。
ママラボのサービスは、「ママの本音」や家族へのインサイトに基づくコンサルティング、ママ・家族向けの商品・ブランドの開発、販売チャネルやメディアの開発、キャンペーンの提案・実施、レポートや書籍の刊行など、広告コミュニケーション全般にわたる。これまで国内では、主に「食品」「化粧品・トイレタリー」「家電・AV機器」「情報・通信」「自動車・関連品」「流通・小売業」「教育・医療・サービス」といった各社に、こうしたサービスを提供してきたが、既存・新規顧客からの次世代家族市場に向けた支援需要が高いことを受け、ママラボを中国にネットワーク展開していくことにした。
電通グループは今後、中国でビジネスを展開する日系企業、外資系企業、現地企業を対象に、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズしたサービスを提供していくとともに、同国の次世代家族市場研究に関するマーケットリーダーになることを目指す。
なお、ママラボ中国の設置準備に向けて、2014年3月に、中国における乳幼児ママの育児に関する調査(6地域:北京、上海、広州、瀋陽、成都、武漢)を行った。この調査で得られたファインディングスの特筆すべき結果は、「中国の乳幼児ママは、満点育児を目指し、育児を指揮する”ディレクター”的な存在になっている」という点が挙げられるという。育児の現場では祖父母が主要戦力となり、ママは大切な我が子のために情報収集と商品選びに注力しているという実態が明らかになった。
中国では家系を非常に大切にするという。一般家庭でも日本ではせいぜい江戸時代までしか家系が把握できないが、中国では「三国志」の時代までさかのぼれるという。祖父母が育児現場の主体になるというのも、こうした家系を大切にするお国柄からかもしれない。(編集担当:慶尾六郎)
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