東工大、ナノダイヤモンドによる透明スクリーンを開発

2014年6月14日 22:12

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ナノダイヤモンド分散液を塗布したガラス板。左:曇りがなく透明な様子(奥のポスターをはっきり見ることができる)、右:スクリーン機能(奥からプロジェクターを照射し画像を見ることができる)

ナノダイヤモンド分散液を塗布したガラス板。左:曇りがなく透明な様子(奥のポスターをはっきり見ることができる)、右:スクリーン機能(奥からプロジェクターを照射し画像を見ることができる)[写真拡大]

 東京工業大学の坂尻浩一特任准教授・戸木田雅利准教授らによる研究グループは、ナノダイヤモンドを用いて、強度の高い透明スクリーンを開発することに成功した。透き通っているため背景を眺めることができると同時に、プロジェクターなどで画像を投影することができる。

 ナノダイヤモンドは、最小粒経が5nm(nはナノで10億分の1を表す)程度のダイヤモンドで、高い硬度や屈折率を持っている。そのため、少量の添加で高い効果が期待でき、母材の白濁化を防ぐことができる。

 今回の研究では、ポリビニルアルコールに粒子の大きさが異なる3種類のナノダイヤモンドをを使った薄膜を作製した。粒子の大きさによって透明性が異なるため、ナノダイヤモンドの粒子が大きい物は光拡散フィルターとして、中程度のものは透明スクリーンとして、小さいものは透明表面保護フィルムとして、それぞれ活用できると考えられる。さらに、ダイヤモンドでできているため、表面の硬度が高く、引っかき傷への耐性も高い。

 本研究成果は、高層ビル・ショッピングウインドー・水族館などの窓・ヘッドアップディスプレイなど、幅広い用途での利用が期待されている。

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