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タッチパネルセンサー用透明導電性フィルムは今後非ITO系が主流に
スマートフォンをはじめタブレットなど携帯機器の普及には目を見張るものがある。また、それに伴い、機器の部材などの市場も急速に拡大している。これらに搭載されているディスプレイの多くがタッチパネルである。このため、タッチパネル使用されるタッチパネルセンサー用透明導電性フィルムの市場も拡大している。
タッチパネルセンサー用透明導電性フィルムとは、静電容量方式タッチパネルのフィルムセンサーで使われる透明導電性フィルムを指し、ITO(インジウム・スズ酸化物)フィルムと、Ag NW(ナノワイヤー)やAg メッシュ、Cu メッシュなどの非ITO系フィルムに分かれる。
矢野経済研究所は22日、世界の静電容量方式のタッチパネルセンサー用透明導電性フィルム市場の調査結果を発表した。14年の透明導電性フィルム世界市場の5.7%が非ITO系になると予測した。
調査期間は2014年1月~3月、調査対象はタッチパネルメーカー、透明導電性フィルムメーカー、その他部材メーカー(OCAメーカー、ハードコートフィルムメーカー、引出線材料メーカー他)。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。
それによると、タッチパネルセンサー用ITO系透明導電性フィルム(ITOフィルム)の世界市場は、静電容量方式タッチパネル需要の拡大とともに2011年、12年と前年比倍増以上の拡大が続いていたが、13年はスマートフォンやタブレット端末市場の成長率低下や、フィルムセンサーで使われるITOフィルムが1枚へとシフトしていることなどから伸び率は鈍化したという。
それでもフィルムセンサー市場そのものは拡大しており、14年のITOフィルム世界市場規模は前年比125.2%の2968万(メーカー出荷数量ベース)の見込みとなり、14年以降も2ケタ成長が続くものと予測した。
また、これまでフィルムセンサー材料として使用されていたITOフィルムは視認性や骨見え(センサーパターンが見える)の問題から表面電気抵抗値100Ω/□(ohms per square)までが限界とされており、これに替わる新たなセンサー材料として銀(Ag)系や銅(Cu)系フィルムの採用が拡大してきた。非ITO系透明導電性フィルムメーカー各社は、低抵抗化やフレキシブル対応、引出線とセンサーの一体成形によるユーザー企業の生産プロセス簡略化など、ITOフィルムの課題を補う性能を付加価値としてアピールしているという。
このため、ノートPCやオールインワンPCなど大型製品を中心に、ITOに替わる低抵抗な透明導電性フィルムとして、銀(Ag)系、銅(Cu)系などの非ITO系透明導電性フィルムが使用されるようになった。
非ITO系透明導電性フィルムの本格的な量産が始まった13年の世界市場規模は80万m2に止まったが、14年は180万m2の見込みであるとした。これは、ITOフィルムも含めた14年のフィルムセンサー用透明導電性フィルム世界市場全体3148万m2(いずれもメーカー出荷数量ベース)の5.7%を占める見込みであるとしている。
携帯機器の高性能化に伴い、その部材にも高性能化や付加価値が求められている。その要求にこたえられるものだけが、生き残っていく。厳しい時代だ。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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