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東急百貨店、人材派遣サービスに新規参入
ここ最近落ち着きを見せ始めているが、一時期は東京や大阪などの大都市の主要駅周辺に、続々と商業施設が誕生し続けていた。またそうした大都市以外の地方都市でも、相次いでショッピングモールが作られ続けている。こうして商業施設が増え続けるということは、そこに入るテナントで働く人材も必要になるということ。テナントによってはそうした人材の確保がままならぬため、人手不足に悩むところもあると聞く。
こうした状況に商機を見出し、東急百貨店が人材派遣サービスに参入した。23日、東急百貨店は6月に店頭の販売スタッフ業務の人材派遣サービスに新規参入するとの発表を行った。こちらの事業は東急百貨店の100%子会社である東急百貨店サービスを事業主とし、東急百貨店の主力エリアである渋谷3店舗、東急百貨店本店、東急百貨店東横店、ShinQs(シンクス)の各店舗、テナントなどに人材を派遣する。
派遣される人材の職種は、衣料品や食品売り場などの販売員がメインとなるようで、人材派遣サービス登録者に対しては、百貨店の接客ノウハウなどの研修が行われる。そうした研修は、登録者全員に対して派遣前に行われる。こうして接客ノウハウを身につけた優秀な販売を独自に育成することで、自社のそれぞれの売り場に派遣する予定。また派遣された後も、継続的に講習などを行い人材育成に注力するとしている。
まずは東急百貨店本店、東急百貨店東横店、ShinQsに人材が派遣される。百貨店の販売員の多くはテナントより派遣された人材だが、しかし昨今の商業施設建設ラッシュの影響もあって、テナントなどから人材を集めることができないという声も挙がっていた。そうした声を受け、一定以上の需要があると判断し今回人材派遣サービスに参入したという。
初年度の登録者数は100人程度を見込んでいる。今後、前述した店舗以外の店や、グループ内の商業施設にも人材を派遣していく予定だ。
百貨店に限らず多くの店舗では今、人材の確保が重要な課題となっている。企業によっては、人材を確保するために給料を上げるなどの施策を行っているところもある。いくらたくさんのハード(商業施設)を作っても、ソフト(働く人)が揃わないのであれば、運営は成り立たない。こうした状況の中、この東急百貨店の新規参入がどういう成長を遂げるか注目したい。(編集担当:滝川幸平)
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