ソニー、パイオニア、旭ダイヤなど/本日の注目個別銘柄

2014年5月15日 16:55

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記事提供元:フィスコ


<6758> ソニー 1695 -110売り優勢。前日に決算を発表、前期営業利益は265億円で前期比88%減益、今期は1400億円で同5.3倍の見通し。実績値は下方修正水準での着地となった一方、今期は2000億円程度であった市場予想を大きく下回る水準。最終損益に関しては500億円の赤字計画となっている。構造改革費用の積み増しなどが想定比下振れの主因だが、構造改革費用の積み増しは前期業績の下振れ要因ともされただけに、構造改革に終わりが見えないことがネガティブ視される形に。今期の見通しに関しては、スマホやテレビなどに楽観的な要素が残るといった見方も。UBSでは投資判断を「ニュートラル」から「セル」に格下げ。

<6773> パイオニア 214 +9買い優勢。AV機器事業を売却する方針を固めたと報じられている。カーナビなど車載向け機器事業に専念して業績の立て直しを急ぐ方針のようだ。メリルリンチ(ML)では、収益化が見込めないホームAV事業の売却は妥当な判断で、事実であればポジティブサプライズと評価。みずほ証券でも、かつての主力事業の売却という、より踏み込んだ構造改革の動きが出てきたことは評価できるとしている。

<6789> ローランドDG 4040 +585大幅高。前日に決算を発表、営業利益は61.1億円で前期比4.3倍、今期は69.7億円の見通しで同14%増益の見通しとしている。特に決算数値にインパクトは乏しいが、同時に発表した自社株買いの実施などが好材料視される状況に。ローランド<7944>の保有株売却に伴い、TOB価格3208円で公開買付を実施、発行済み株式数の22.0%に当たる390万株超を自社株買いする。取得株は消却する予定ともしており、株式価値の向上につながるとの見方。また、3Dプリンターの新製品開発加速なども発表、こちらもプラス材料視されている。

<4651> サニックス 1305 +73大幅高。前日に決算を発表しているが、今期の大幅増益見通しを評価する動きが優勢に。前期営業利益は、従来計画63億円を下回ったものの、前期比2.4倍の45億円となった。今期も同3.1倍の140億円予想、一段と増益率は拡大する方向になっている。四季報予想の68億円などと比較するとインパクトは大きい状況に。太陽光関連事業の急拡大が背景に。

<8604> 野村HD 618 -6売り先行。クレディ・スイス(CS)では証券セクターの投資評価を「オーバーウェイト」から「マーケットウェイト」に格下げ、株式市場の売買は第4四半期との比較でも低水準と低調な事業環境を受けて、リスクプレミアムを引き上げているもよう。つれて、個別でも、同社のほか、大和証券<8601>、マネックス<8698>、カブドットコム証券<8703>などの投資判断を格下げしている。同社に関しては、セクター内の相対的な位置づけは改善も、外部環境悪化で当面の株価は弱含む可能性が高いとし、「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げへ。

<6140> 旭ダイヤ 1585 +229急伸。前日に決算発表、今期の大幅増益見通しが好感される。前期実績は先の上方修正値水準で着地したが、今期は前期比55%増の75億円と大幅増益予想になっている。市場予想は60億円強の水準で大幅に上ぶれる格好へ。中国太陽光関連企業向けの拡販に伴うエコメップの拡大が背景と捉えられる。信用取組動向など需給面も支援となっている。

<8253> クレセゾン 1976 -290下落率トップ。前日に発表した決算内容が嫌気されている。前期営業利益は363億円で前期比14%減益、従来予想の435億円を大きく下回った。また、今期は340億円で同6%の減益見通し、420億円レベルのコンセンサスを下振れている。今後の投資に向けた先行投資負担が下振れの背景、利益成長局面入りには時間が掛かるといった見方に。モルガン・スタンレー(MS)では投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げのもよう。

<3668> コロプラ 2325 +190大幅続伸。本日、「白猫プロジェクト」の全容が公開される予定になっており、期待感が先行する展開にもなっているようだ。決算説明会においては、「社内のエリートチームが開発を担当、誰に見せても『すごい』といわれるタイトルに仕上がっている」などとコメントされているようだ。なお、ミクシィ<2121>の大幅増益見通し発表、株価急伸なども刺激になっているとみられる。

<6310> 井関農機 258 -17さえない。前日に決算を発表、営業利益は73.7億円で前期比43%増益、従来予想の67億円を上回る着地となった。一方、今期は55億円で同25%減益、減益転落は想定されていたものの、想定以上の減益見通しになっている。子会社の持分適用会社化による影響やインドネシア生産子会社の初期費用発生などが響く格好に。また、米農業機械のディアが決算を受けて軟化したことも逆風に。

<1332> 日本水産 246 +8決算発表後は上昇。前期営業利益は139億円で前期比2.4倍、従来予想の125億円を上振れる着地となった。今期は155億円で同11%増益の見通し、市場予想の120億円を上振れる格好となっている。水産物市況の上昇などが好業績の背景となっている。比較的、業績予想は楽観的な傾向が強い銘柄であるが、前期業績の上振れ着地などからストレートに好感される状況となっているもよう。《FA》

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