関連記事
ユニ・チャーム、ブラジルの紙おむつ市場に参入
ユニ・チャーム<8113>が乳幼児用おむつでブラジル市場に新規参入する。30日、同社が発表した2014年4月~16年12月の次期中期経営計画にて明らかにした。3年間で50億円の売上高を見込んでいる。ブラジルの市場規模は日本よりも小規模であるものの、現在年間7%で成長しており、今後大きな市場となることを期待している。
現在、カンピナース市(サンパウロ州)に数十億円の費用を投資し自社工場を新設中であり、春から生産に入るとしている。現地の有力な卸業者を通じて6月にもサンパウロ州のスーパーやドラッグストアなどで販売を開始するとしている。ユニ・チャームは世界80ヶ国以上で販売を行っているが、南米の市場に参入するのは今回が初めてのこととなる。
販売される商品は高機能紙おむつ2種類で、富裕層や中間所得層をターゲットとする。販売価格は日本で販売されている商品や、先に参入をはたしているP&Gなどと同水準になるとのこと。3年後に年間売り上げを50億円とする目標を掲げている。
ブラジルにおける乳幼児用おむつの市場規模は950億円と日本の1300億円よりも小さいものの、しかし紙おむつを使用する0~3歳人口は800万人以上と日本の3倍以上いる。そして中間所得層が増えるにしたがい年間で7%のペースで成長し続けており、今後もその傾向は続くと見込み参入を決定した。
ブラジルの乳幼児用おむつ市場には、P&Gや米キンバリー・クラークなどが先に参入をはたしており、これらの2社だけでシャア6割を占めている。紙おむつにはテープで留める型とパンツ型があるが、ブラジルではテープ型が主流となっており、ユニ・チャームが主力としているパンツ型はほぼ普及していない。
ユニ・チャームが行った現地調査によれば、ブラジルでは肌触りにこだわる母親が多いほか、おむつを替える頻度が多いという特徴があるという。月の利用枚数は日本が約130枚であるのに対し、ブラジルでは約170枚。こうしたことから、ユニ・チャームは自社が得意とするはかせやすいパンツ型が受け入れられると判断した。そうした機能性と合わせて、肌の蒸れにくさなどの機能も全面に打ち出すことで、市場でのシェア獲得に挑むとしている。(編集担当:滝川幸平)
■関連記事
・王子HD、ニュージーランドの製紙事業を買収
・おむつやばんそうこうに装着するセンサが登場 東大らが開発
・注目を集まるミャンマー市場、リスクのアナウンスは十分か
・内需型主要企業決算 厳しい状況が続く中で明るい兆しも
・例年になく話題の多い今年の特許訴訟
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク