関連記事
経産省、中部電の値上げを認可 家庭向け3.77%
経済産業省は中部電力より申請された電気料金の値上げに関して、認可したとの発表を行った[写真拡大]
18日、経済産業省は中部電力<9502>より申請された電気料金の値上げに関して、認可したとの発表を行った。中部電力は2013年10月に平均4.95%の値上げを申請していたが、これを経済産業省は5ヶ月以上にも及ぶ審議の末に値下げを指示。結果、家庭向けなど国の認可の必要な規制部門の電気料金を、申請時の4.95%から3.77%へ、企業や自治体を対象とした自由部門の電気料金を、申請時の8.44%から7.21%へ抑制させた。新料金は5月1日より実施される。
浜岡原子力発電所の稼働停止により火力発電の燃料費が増加していた中部電力は、3期連続での赤字となる見通しで電気料金の申請を行っていた。政府の認可を伴う電気料金の値上げは、中部電力としては第二次オイルショックにより燃料費が急騰した1980年(昭和55年)以来、34年ぶりとなる。
東京電力<9501>福島第1原発の事故に伴い、国内の原子力発電所の稼働停止が長期化していることにより、各電力会社の火力発電の燃料費は増加し、業績は軒並み悪化している。そのため、電力会社は相次いで電気料金の値上げを決定している。電力会社10社のうち、値上げに踏み切ったのは今回の中部電力で7社目となり、まだ値上げに踏み切っていないのは北陸電力<9505>、中国電力<9504>、沖縄電力<9511>の3社だけである。
しかし今回の中部電力の値下げ率は、先に値下げに踏み切った6社と比べると低く、12年9月に値上げを実施した東京電力と比較するとその値上げ率は半分以下であり、また13年9月に値上げした北海道電力<9509>、東北電力<9506>、四国電力<9507>と比較すると、約3分の1である。
中部電力は今回認可された料金水準により、早期に赤字を黒字化できるよう努めたいとしているが、こうした各電力会社による値上げをきっかけに、全国の自治体が新しい電力への契約切り替えを行い始めている。そうした動きは中部地方でも加速するとみられ、はたして中部電力の予定通りに売上を黒字化できるかどうかはまだ分からない。(編集担当:滝川幸平)
■関連記事
・関電、大型火力発電所の新設を発表
・消費増税後の住宅業界は「付加価値」で勝負
・脱原発への道。「節約」と「水力発電」がポイント
・子育て世帯の65%「生活が苦しい」、消費増税分も多くは年金に
・2014年以降の東電の未来を握る、柏崎原発の再稼働
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク