慢性的な睡眠不足による脳へのダメージ、寝だめは効果なし?

2014年3月22日 17:29

印刷

記事提供元:スラド

慢性的な睡眠不足は脳神経を損傷し、「寝だめ」をしても回復しないことがマウスによる実験でわかったそうだ(論文アブストラクトペンシルバニア大学のニュースリリースCNNの記事ハフィントンポストの記事本家/.)。

米ペンシルバニア大学と中国・北京大学などの研究チームはマウスを使い、シフト勤務者の睡眠パターンをモデルとした睡眠不足による青斑核ニューロン(LCニューロン)への影響を調べたそうだ。その結果、短期間の睡眠不足ではLCニューロンがサーチュイン3(SirT3)タンパク質の発現量を増加させて代謝を維持するのに対し、長期間の睡眠不足ではSirT3の反応が失われるという。シフト勤務者の睡眠パターンを数日続けると、SirT3が減少し、死滅する脳神経細胞が増加。長時間の睡眠をとっても回復せず、マウスは最終的にLCニューロンの25%を失ったとのこと。ヒトでも同じような現象がみられるかどうか、どの程度の期間の睡眠不足で脳神経の損傷が発生するかなどを確認するには、さらなる研究が必要とのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 医療

 関連ストーリー:
夜更かしは免疫システムにも悪影響 2013年11月27日
睡眠時、脳では代謝老廃物を洗い流している 2013年10月22日
1週間のキャンプ生活で体内時計をリセット 2013年08月04日
40歳でプログラマーになったら 2013年05月12日
子供達の睡眠不足は学習に悪影響 2013年05月10日
英国のIT管理者は73%がストレスのために退職を考えているという調査結果 2013年03月30日
ディスプレイのバックライトに晒されると寝付きが悪くなる 2012年08月28日
プログラマーは意外とよく眠っている?米調査 2012年03月04日
「分割型睡眠」こそ人間に適した睡眠パターンという説 2012年02月24日
「子供の睡眠時間が足りない」と100年前から言われ続けている 2012年02月15日
夜勤・交代勤務労働者は活力が低下し、体重は増え、性生活は不足ぎみ? 2011年07月18日
体内時計の簡易測定に成功、時差ぼけ解消などの応用へ期待 2010年08月25日
デスマ中でも快眠スーツ 2010年01月22日
睡眠不足がアルツハイマーの一因に? 2009年09月29日
肥満は脳の老化を加速する 2009年08月30日
睡眠不足だと仕事がはかどらない理由、科学的に明らかになる 2008年05月23日
睡眠時間と死亡率には密接な関係がある? 2007年10月03日
睡眠不足による損失 2006年06月09日
眠気対策どうしてますか? 2006年03月05日
睡眠時間が少なくても平気なハエ 2005年04月28日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事