血液検査で3年内のアルツハイマー病発症を予見できる、精度は90%

2014年3月12日 22:20

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記事提供元:スラド

danceman 曰く、 3年内にアルツハイマー病が発症するかどうかを血液検査によって90%の精度で予見できるという手法が開発された(BBCslashdotNature Medicineに掲載された研究論文)。

 ジョージタウン大学の研究グループが、70歳以上の高齢者525人の血液を採取し、そのなかから血液採取後にアルツハイマーを発症した人または軽度の認知症を発症した人53人、そして健康な脳を保っていた人53人の血液サンプルを選び出し2つのグループの比較を行ったところ、10種の脂質に違いが見つかったとのこと。この10種の脂質をマーカーとして使用することで、ほかの血液サンプルから数年後にアルツハイマー病を発症するかどうかの予見を行うことができたそうだ。

 アルツハイマー病は少しずつ脳を攻撃し続けるため、症状が現れるまでに10年以上がかかる。薬物臨床試験が成功しないのは、治療が行われる時期が遅すぎるからだと言われてきた。そのため認知症になる可能性を予見する検査法の発見は、同分野における重要な課題となっていた。現在、世界には認知症の人が4400万人おり、2050年にはその数が倍になるといわれている。

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