音で物を見るシステム、盲目の人が「見る」ことを可能に?

2014年3月12日 14:00

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記事提供元:スラド

eggy 曰く、 オランダ人エンジニアのPeter Meijer氏が1992年に、単純なグレースケール画像を音声に変換するアルゴリズムを開発した。このシステムはvOICe(大文字部分は「Oh、I see!」と読む)と呼ばれ、画像を左から右にスキャンしながら、読み込んだイメージを周波数の高低に割り振った音に変換するというもの。訓練を受けると、vOICeの聴覚情報で画像が「見える」ようになるのだという(Scienceslashdot)。

 ヘブライ大学では2007年より、先天性盲目の人にvOICeの訓練を行っているのだそうだ。単純な点や線から、顔や街角など4500ピクセルの複雑な画像に至るまで、見える内容には個人差があるものの、70時間程の訓練で「見える」ようになるのだそうだ。また、コンピューターとヘッドホンに接続されたヘッドマウントカメラをナビゲーションのように使用し、盲目の人が部屋の中を歩くことができたとのこと。カメラが絶えず撮影した部屋の写真は音に変換され、その音を頼りにテーブルやゴミ箱を避けて歩くことができたのだそうだ。

 さらに興味深いのが、この訓練中に視覚を司る部分が活発になるということである。視覚を司る視覚野、聴覚を司る聴覚野、味覚を司る味覚野があるように、これまで脳は「タスク指向型」と考えられてきたが、今後は脳の新たな働きが見つかるかもしれないとのこと。

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