「遠隔操作事件」裁判における検察側の主張

2014年3月12日 12:41

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 先日、被告の保釈請求に関する騒動も話題になった「遠隔操作事件」裁判だが、その第2回公判にて、被告のPCの解析を行った検察側の証人による主張について、ジャーナリストの江川紹子氏がまとめている(【PC遠隔操作事件】第2回公判傍聴メモ・最初の検察側証人は「ファイルスラック領域」を強調)。

 証人は、被告が職場で使用していたPCのHDDを解析した結果を証拠として証言したという。その内容を簡単にまとめると以下のようになる。

 PCはHP製のものだった 
 PCにはHDD中に3つのパーティションがあり、また光学ドライブ(E:)があった 
 それらに加え、TruCryptというソフトウェアで作成された仮想ドライブ(F:)も存在した 
 PCには4回に渡ってVisual C# 2010 Expressがインストール/アンインストールされた痕跡があった 
 HDD中に遠隔操作プログラムである「iesys.exe」や、そのデバッグデータである「iesys.pdb」などの痕跡が残っていた また、遠隔操作プログラムについてはその解析結果から、以下のことが分かっているという。

 遠隔操作プログラムの開発ツールはVS2010であった 
 開発時の環境に関する情報として、F:ドライブの「vproj」ディレクトリを含むファイルパスが含まれていた 
 「Copyright(c)Hewlett-Packard Company 2012」というものも含まれていた そのほか、F:ドライブ内にあったGoogle Chrome Portableの履歴などの解析から、F:ドライブを被告が使っていたと見なせる痕跡や、遠隔操作ウイルスが指令のやりとりに使っていたしたらば掲示板の管理者は被告が作成したものだった、といった情報も提示されていたという。

 これらの情報を見る限り、被告のPCで遠隔操作プログラムが作成された可能性は十分ありそうだが、それが第三者によって遠隔操作で行われた可能性は否定できず、なんとも微妙なところである。

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