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出版不況止まらず、売上高は70年代後半の水準へ 「電子雑誌」は福音となるか?
出版科学研究所のデータによると、2013年の書籍・雑誌の推定販売額(電子出版を除く)は1兆6823億円で、前年比3.3%のマイナスだった。ピーク時の96年には2兆6563億円あった市場は、この17年間で約1兆円縮小している。
最も減少幅が大きいのは雑誌だ。書籍が前年比2%減だったのに対し、雑誌は同4.4%のマイナス、週刊誌にいたっては8.1%のマイナスである。昨年休刊した雑誌は124点にのぼり、講談社の『グラツィア』『グラマラス』など、有名女性ファッション誌の休刊も相次いだ。一方で昨年、新しく創刊された雑誌は前年比12点マイナスの86点にとどまり、過去最低を記録している。
こうした定期誌の不振による「雑誌不況」を反映し、出版業界の市場規模はピークの96年から毎年約500億円ずつ縮小している。このままいけば、5年後の18年には単純計算で今より2500億円少ない1兆4300億円程度になるだろう。これは70年代後半の水準だ。
出版科学研究所では電子書籍の販売額を集計しておらず、「まだ紙の本の需要に影響する段階ではない」という。だが特に厳しい現状にある雑誌については、「電子雑誌」が市場の縮小を補う可能性もある。
野村総合研究所によると、新聞・雑誌も合わせた電子書籍の市場規模は、13年度の1729億円から、18年度には約5000億円まで成長する見込み。年次成長率は電子書籍全体で23.6%、とりわけ「電子雑誌・新聞」の成長が著しく、毎年28.6%ずつ市場が拡大するという。5年後には2500億円のマイナスとなるであろう出版市場を、3000億円プラスの電子書籍が補う構図も見えてくる。
昨年は小学館や集英社が、人気ファッション誌の電子化に乗り出した。小学館は「お気に入りの雑誌がスマホでも読める」と利便性をアピール。集英社は電子雑誌を、電子コミックなどに次ぐ成長株と位置づけた。長引く出版不況、特に雑誌の不振を「電子雑誌」が食い止める可能性はある。それは出版各社が、紙の雑誌にはない「電子雑誌の魅力」をいかに高めていけるかにかかっている。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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