古い無線LAN規格を利用するトラフィックがネットワークを遅くする

2014年1月30日 13:28

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 古い無線LAN規格がいまだ使われていることにより、無線LANネットワークのトラフィックが遅くなっているとし、古い規格について再考すべきであるとCiscoが述べている(Network Worldslashdot)。

 無線LANの規格にはIEEE802.11a/b/g/nなどがあるが、b/gは2.4GHz帯を、aは5GHz帯を、nは2.4GHz帯および5GHz帯の両方を利用できる。このうち5GHz帯はそれほど混んでいないとしても、2.4GHz帯はベビーモニターからBluetooth機器まで多くの端末が利用しており「ジャンク帯」と呼ばれるほど混雑していることも多い。しかし、IEEEおよびWi-FIアライアンスが古いバージョンのサポートを課していることもあり、未だに2.4GHz帯は使用されている。2.4GHz帯では使用する周波数帯がかぶらないチャンネルが3つしか無いこともトラフィックを遅くする原因の一つだという。こういった遅いトラフィックがチャンネルを占有し、速く送受信できるはずのトラフィックが影響を受けているとのこと。

 無線LANのパフォーマンス向上のためにもそれらの古いバージョンをフェーズアウトさせる仕組みが必要という意見も出てきた。CiscoのエンジニアBrian Hart氏とAndrew Myles氏が提唱するのは、古い規格を含んだWi-Fi認定とそうでない認定の二本立てにするという方法だそうだ。802.11および802.11bというった古い規格を切り捨てるのではなく、必要な機器のために古い規格を含んだ認定を残しつつもパフォーマンス向上を目指した認定を新たに作るというものだ。

 ただ、これからは電気メーターや環境センサー、医療モニタといった小型かつ低電力のスマート端末が増えると予想され、最新規格に対応したこれらの端末でも実際に使えるのは古い規格のみという状況が大いに考え得るという声もある。インフラがデータの送受信を確実に実現できることが最重要であり、古い規格の切り捨てはそう簡単ではないという意見もあるようだ。

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