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“男女の雇用格差なくなれば、GDP15%アップ”? それでも具体策なき安倍政権に、海外紙は懐疑的
安倍首相は、女性の社会進出を後押ししていくことで低迷した日本の経済を再生すると約束している。一方、日本社会における男性優位の風潮は根強く、改革は容易ではない。海外メディアはこの点に着目して報じている。
【男性優位の社会における女性進出の現状】
日本の労働者全体に占める女性の割合は約40%だが、雇用、昇進、給与において差別は根強いという。米ジャーナル・ガゼットは、政府の調査をひき、同じ仕事でも女性の給与は男性の70%と報じている。さらに、女性労働者全体に占める管理職の割合は11%に過ぎず、先進国の中でも日本の女性が管理職に就く可能性は低い。同割合は、アメリカでは47%中、実に43%だという。
世界経済フォーラムにおいて、日本の男女格差指数は過去最低の105位だった。日本人女性は二流として扱われ、「男の仕事」に就くことは検討すらされない、と同紙は報じている。
また各メディアとも、日本は欧米に比べて終身雇用の傾向があり、出産育児で仕事を離れることになる女性には圧倒的に不利になるのではないかと論じている。これは、60%の女性が最初の出産後、退職しているという事実にも裏付けられる。
同紙は、「ほとんどの主要企業は、女性の能力を真剣に活用しようとしない男性優位の社会」という、人材派遣会社パソナグループの専務取締役深澤旬子氏のコメントを紹介。深澤氏自身、ことあるごとに自分が責任者であることを伝えなければならない、男性優位の社会を実感しているという。
【安倍政権の姿勢と海外メディアの見解】
安倍首相は女性の社会進出を阻む障害を取り除くことで、20年近く続いている不況を脱却する方針を示している。子育て支援強化、最長3年までの育児休暇またはその間のフレックスタイム制などを企業に要請。さらに各省庁には、2020年までに管理職を含む女性職員を30%増やすよう指示した。
「女性の社会進出はもはや選択肢ではなく急務」であり、「ウ―マノミクスなしにアベノミクスの成功はない」と公言する。11月には経済産業省の山田真紀子官房審議官を、憲政史上初の女性秘書官として起用した。
一方で2013年の通常・特別国会において、労働力強化法や機会均等法は発表されていない、とUSトゥデイ紙は懐疑的な見解を示している。日本企業の、勤続を評価し育児休暇取得が不利になるような経営方針の改革は提言されず、企業も問題に真剣に取り組んではいないと見ている。ウエスタン・ケンタッキー大学社会学部准教授の根元宮美子氏は、「安倍首相の発言は国際的評価を意識した弁論に過ぎず、実際に何かを変えるつもりはない」と批判している。「企業社会を支配する保守的年齢層は、特権を手放す気はない」と同紙に語る。
【日本の社会的情勢が女性進出の後押しとなるか】
日本社会は高齢化し、積極的に移民政策に取り組んでいないこともあり、労働力は減少していく一方だ。女性が経済を支える「ウ―マノミクス」を提唱した、ゴールドマン・サックス・ジャパンのキャシー松井氏らは、もし男女の格差がなくなれば労働人口は820万人にまで増え、国内総生産(GDP)を15%押し上げるという。
人口要因が女性進出を後押しするかもしれない、とジャーナルガゼットは論じている。ケンタッキー大学の福井氏はUSA トゥデイ紙に対し、「中小企業は有望な若い男性人材が見つからないため、女性を探すしか選択肢がなくなってきている」と語った。「少しずつだが確実に変化はある」と希望的な見方を示した。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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