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築地のマグロ初競り、“たった”736万 海外メディアから思わぬツッコミ
5日日に築地市場で行われた毎年恒例のマグロ初競り。世界のマグロ全体量の減少から今年も高値が予想されたが、意外にも736万円という、昨年のたった5%の価格で落札された。
【そもそもなぜ高かったのか】
環境ニュースサイト「ハフポスト・グリーン」によると、一昨年の2012年は5640万円、昨年2013年は、1億5440万円という高値をつけ、記録更新となった。しかしこれは、いくらなんでも行き過ぎと市場関係者からは不満がでていたとのこと。一昨年、昨年、今年と落札したのはすべて、すしチェーン「すしざんまい」を運営する「喜代村」代表の木村清社長。
また同サイトは、高いイコール高品質というわけではない、とも報じている。そもそもマグロの初競りはなぜこんなに過熱してきたのか。
ニュースサイト「インターナショナル・ビジネス・タイムズ」によると、築地の初競りが世界のマグロ市場の実態を歪めているという点では漁師も科学者も同意見らしい。実際、アメリカではホタテ漁師のほうが儲けが多いとも報じている。海洋学者のデイビッド・セイラー氏は、初競りを「マグロ需要を人工的に増加させるためのパフォーマンスに過ぎない」と分析している。こうして人工的に作られた付加価値によってマグロの需要が増加し、乱獲が進んだ結果、世界のマグロ全体量は15年連続減少しているとのことである。
【マグロは絶滅しちゃうの?】
国際科学委員会(ISC)の昨年の調査によると、繁殖可能な成魚のマグロは、未成魚のたった4%しかいないと発表されている。原因は、90%以上のマグロが繁殖可能になる前の若いうちに漁獲されてしまうから、と保護活動家のアマンダ・ニクソン氏は言う。儲かるマグロが獲れるなら罰金もビジネスコストにすぎないとばかりに、規定違反を犯してまで漁獲をする漁師もいるとあって、「これでは全体量の維持など到底可能なはずがない」と同氏は嘆いている。ちなみに今年の初競りにならんだマグロは1729尾。昨年は2419尾だった。
ニクソン氏は、中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)に世界のマグロ量回復のための長期プランを提案しているとインターナショナル・ビジネス・タイムズは報じている。内容は、漁獲量の制限や、まだ繁殖できない未成魚の漁獲を制限することで、2024年までに元の25%にまでに増やす目標となっている。「今すぐ、強い力で管理する必要がある」と同氏は訴える。
しかし同メディアによると、WCPFCは未成魚の捕獲量の制限を、実際去年より多く捕獲できる値に9月に制定したばかりとのことで、短期的見通しは明るくない。
ハフポスト・グリーンによると、落札者の木村氏は「初競りのマグロが適正価格に戻ってよかった」と発言している。過剰な高値が落ち着いた今年、果たして世界のマグロ乱獲も落ち着くのか。同サイトによれば世界のマグロの80%は日本で消費されているとのことだけに、今後の動向が気になるところだ。
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