【アナリスト水田雅展の株式&為替相場展望】1ドル=105円台、日経平均株価1万6000円台乗せが有望、ただし年末年始6連休を控えて波乱含み

2013年12月23日 13:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■ただし年末年始6連休を控えて波乱含み、高水準のNT倍率是正も焦点

  来週(12月24日~27日・30日)の株式・為替相場は、大勢として円安・株高基調に変化はなく、外国為替市場ではドル・円相場の1ドル=105円台乗せ、株式市場では日経平均株価の1万6000円台乗せが有望だろう。ただし海外市場ではクリスマス休暇を挟み、国内市場では12月31日~1月5日の年末年始6連休を控えているため、主力株に対して様子見ムードを強めて波乱含みの可能性もあるだろう。

  注目の17日~18日の米FOMC(連邦公開市場委員会)では量的緩和の規模縮小開始を決定した。14年1月から住宅ローン担保証券(MBS)と米国債の購入額をそれぞれ50億ドル減らし、証券購入額を合計で月額750億ドルとする。その後の減額ペースは雇用などのデータで判断し、証券購入終了は14年後半までかかるとした。そして事実上のゼロ金利政策は維持し、失業率が6.5%を下回っても十分な時間が経過するまで続けるとして、緩和的な金融政策を長期間継続することも示した。

  FOMCの決定に対して18日の米国市場では金利が上昇し、ドル・円相場は1ドル=104円台までドル高・円安が進行し、米国株も大幅上昇の形で反応した。米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に対する不透明感後退を好感した形だ。さらに20日の米7~9月期GDP確定値の上方修正で景気先行きに対する安心感も広がり、ダウ工業株30種平均株価は18日から20日まで3営業日連続で史上最高値更新となった。

■年末年始6連休を控えて波乱含みも、高水準のNT倍率是正も焦点

  そして日本の株式市場では、日経平均株価が19日、20日と2営業日連続で、終値ベースの年初来高値を更新した。ただし1ドル=104円台まで円安が進行しても、輸出関連セクターの主要銘柄の値動きは重く、指数寄与度の高い銘柄の上昇によって日経平均株価だけが上昇しているという印象が強い。全体として売買高・売買代金の盛り上がりも欠けるだけに、本格的な上昇局面とは言い難い状況だ。

  米FRBが量的緩和の規模縮小開始を決定した後も米国株が上昇していることが安心感に繋がり、来週も大勢として円安・株高基調に変化はないだろう。ただし年末年始の6連休を控えているだけに波乱含みの可能性もありそうだ。12月20日時点で12.58倍と記録的な高水準にあるNT倍率が一段と上昇するのか、TOPIXの上昇という形で是正されるのか、あるいは日経平均株価の下落という形で是正されるのかも焦点だろう。

  物色面では年末恒例で主力株が手掛けづらく、個人投資家による値動きの軽い中小型株や材料株の値幅取りが中心との見方が常識的だ。また証券優遇税制終了に伴う利益確定売りが12月25日で終了するため需給改善に繋がるだろう。14年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)や新株価指数「JPX日経400」への関心も高まりそうだ。

  注目スケジュールとしては、23日の米11月シカゴ連銀全米活動指数、米11月個人所得・消費支出、24日の米10月FHFA住宅価格指数、米11月新築一戸建て住宅販売、米11月耐久財受注、26日の日本11月住宅着工件数、27日の日本11月完全失業率、日本11月有効求人倍率、日本11月家計調査、日本11月全国・12月東京都区部消費者物価指数、日本11月鉱工業生産速報、日本11月毎月勤労統計、30日の米11月住宅販売保留指数、31日の米10月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米12月シカゴ地区購買部協会景気指数、米12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)などがあるだろう。

  その後は、1月8日~9日の英中銀金融政策委員会、9日のECB理事会、10日の米12月雇用統計、21日~22日の日銀金融政策決定会合、28日~29日の米FOMCなどが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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