トヨタ・アクア「世界最高燃費」奪還。だが、カタログを読み込むと?

2013年12月1日 21:48

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記事提供元:エコノミックニュース

写真はアクアS、ボディカラーは新色の「ディープアメジストマイカメタリック」だ。価格は170.0万円から195.0万円。

写真はアクアS、ボディカラーは新色の「ディープアメジストマイカメタリック」だ。価格は170.0万円から195.0万円。[写真拡大]

 世界最高燃費競争が熾烈だ。今年9月に、ホンダはコンパクトカー、フィットを6年ぶりにフルモデルチェンジした。そのハイブリッドモデルはJC08モード燃費で36.4km/リッターという世界最高燃費を達成し、トヨタ・アクアを抜いた。

 しかし、東京モーターショー開幕中の11月26日にトヨタが発表したリリースで、「トヨタ・アクアを一部改良して、燃費性能でトップの37.0km/リッターを達成した」と発表した。これは従来比1.6km/リッターの向上だ。

 今回、世界一燃費を達成するためのリニューアルメニューは当たり前だが多岐に及ぶはずだ。資料では、「エンジンのフリクションを低減するとともに、モーターやインバーターなどの制御を改良しハイブリッドシステムの効率を一段と高めることで世界最高燃費を獲得した」とある。

 この説明では何のことやら、何をどうのように改善したのか、普通の消費者には分からない。もちろん専門家だって分からない。ただし、業界内ではトヨタはフィットHVの燃費を事前に察知して「即座に反撃に出る」とまことしやかに囁かれていた。これは公然の事実だ。

 おそらくと前置きするが、アクアのエンジン1基+2モーターのハイブリッドシステムは、そのコントロールユニット(ECU)の精度を上げるだけで(つまりエネルギー回生モーターと駆動モーターが別なので)かなり燃費が改善されると以前から噂されてきた。アクアのハイブリッドシステムは、基本的に旧プリウスから移植。バッテリーなどは時代背景を受けて小型化したが、そのほかの制御ユニットの改良の余地が大いに残っていたということだろう。

 ただし、アクアを好燃費で選択しようと思っている人は注意が必要だ。トヨタの常套が隠されている。カタログ数値を正確に読み取ろう。そこには、こう書かれている。「メーカーオプション装着およびメーカーパッケージオプション装着により、車両重量が1090kg以上の場合、33.8km/リッターとなります」とある。37.0km/リッターの燃費は車重1080-1050kgkgで計測・達成している。

 脚注には、「SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ、シートヒーター&排気熱回収器、寒冷地仕様、175/65R15タイヤ用スペアタイヤ(リヤバンパーリンホース付)をメーカーオプション装着した場合、“それぞれ”+10kg増加します。LEDヘッドランプパッケージ、ツーリングパッケージ、オーディオパッケージをメーカーパッケージオプション装着した場合、“それぞれ”+10kg増加します」とあり、いったいオプションを全部付けると何キロ増になるやら(本文中“それぞれ”は筆者注)。

 つまり、アクアでメーカーオプションを“ひとつでも”選ぶと最高燃費モデルから陥落するのである。ある意味で有効な販売促進の方法の裏を読み取る、意味は無いか? 「所詮、カタログ燃費は信じない」ユーザーが多いのは事実だ。(編集担当:吉田恒)

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