米FDA、トランス脂肪酸を禁止する方針を示す

2013年11月10日 11:35

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記事提供元:スラド

米食品医薬局(FDA)は7日、動脈硬化の原因となるトランス脂肪酸を事実上禁止する計画を明らかにした。なお、禁止されるのは人工のトランス脂肪酸のみで、天然のものは除外される(The New York Timesの記事Bloomberg.co.joの記事CNN Japanの記事本家/.)。

トランス脂肪酸は米国で心臓疾患の主要な原因とされており、食品への使用は減少傾向にあるが、現在も菓子やインスタント食品、マーガリン、コーヒークリームなどに使われている。植物油などの不飽和脂肪酸に水素を付加して製造される人工のトランス脂肪酸は、バターなどの動物性脂肪よりも安価で健康的と考えられてきた。しかし、トランス脂肪酸が悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすことが明らかとなり、2003年にはFDAが食品の原材料として明記することを義務付けた。その後、ニューヨーク市がレストランでのトランス脂肪酸の使用を禁じたのをはじめとして、各地でも排除が進む。既に米マクドナルドなどの大手チェーンではトランス脂肪酸を排除しているそうだ。結果として米国人が1日に摂取するトランス脂肪酸の量は2006年の4.6グラムから昨年には1グラムまで減少した。1日に少なくとも2~3グラムのトランス脂肪酸を摂取すると健康リスクが高くなるとされているが、1食あたり0.5グラム以下であればラベルに記載する必要はないため、実際の摂取量は1グラム以上と考えられるという。FDAによれば、人工のトランス脂肪酸を全面的に禁止することで、年間2万件の心臓発作と7千件の心臓疾患による死亡を防ぐことができるとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | ニュース | 医療 | アメリカ合衆国 | 政府

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