【相場熟者が答える投資相談】三越伊勢丹ホールディングスの売却を考えています

2013年11月10日 13:56

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■三越伊勢丹ホールディングスを1000円で300株持っています。大きく下げたため、売却を考えているが。

 【問い】 三越伊勢丹ホールディングス <3099> を1000円で300株持っています。大きく下げたようですが、売却したほうがいいか迷っていますので、よろしくお願いします。(栃木県・Y)

■中間期は期待値に届かなかったものの好調、短期なら売却も中期持続を

 【答え】 三越伊勢丹ホールディングスは、11月8日(金)92円安(-6.28%)と3営業日大幅続落で、日経225採用銘柄の値下り率1位となりました。後場立会い中に今3月期第2四半期決算を発表。市場予想を下回ったほか、通期業績予想を据え置いたことから、失望感が広がり売り優勢の展開で大きく値を崩しました。

 今3月期第2四半期売上高は6028億5000万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は126億3000万円(同54.7%増)、経常利益は134億2300万円(同2.0倍)、純利益は74億4000万円(同4.3倍)に着地。営業利益は統合後の過去最高益を更新したものの、5-6月まで約30%増と好調だった高額商品は、7-9月は15%増にとどまり、通期営業利益325億円(前期比22.0%増)を据え置いてます。

 株価は、今年4月4日の日銀による金融政策の大転換発表を受け、不動産価格の上昇期待から同社が日本橋や、銀座、新宿などに店舗を保有していることが大きく見直され、含み資産株として4月23日に年初来の高値1628円と買われました。その後、6月13日安値1115円まで調整を挟んで7月12日高値1540円と上昇。8月には伊勢丹新宿本店の大型改装に加え、アベノミクス効果による消費回復で三越日本橋店、銀座店も海外高級ブランドなど高額品を中心に堅調に推移していることを背景に今期業績予想を上方修正したものの、1400円を軸としたもみ合いが続き1500円の上値のカベを突破できることが出来ず、やれやれの売りを誘いました。日足では25日移動平均線を下回ったほか、週足では26週移動平均線、月足では9カ月移動平均線に届いており、もみ合いを下放れする可能性が出てきました。来年4月には消費税8%になりますから、高額品の消費も来年3月までに目先のピークを迎えそうです。いったんは売却してしばらく様子を見るほうが無難でしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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