日産自動車、伊藤忠など/本日の注目個別銘柄

2013年11月5日 16:39

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記事提供元:フィスコ


<7201> 日産自動車 861 -100売り気配から大幅安。先週末に発表した決算がネガティブなインパクトにつながっている。上半期営業利益実績は2219億円で前年同期比2.6%減益、市場コンセンサスは2300-2400億円の水準であった。先週末にかけては警戒感も強まりつつあったが、営業減益決算を受けて、セクター内での相対評価の低下などを警戒する動きが先行。また、通期予想は6100億円から4900億円にまで下方修正、市場予想は従来会社計画よりも上の水準であったため、想定以上の下半期の厳しい見方も嫌気される形に。

<6326> クボタ 1550 +114買い優勢。先週末に上半期業績予想を上方修正している。営業利益は従来予想の780億円から1000億円にまで増額へ。為替の円安効果に加えて、国内や中国などで想定以上に販売が拡大していることが背景。営業利益率も想定以上に上昇している。業績上振れ期待はあったものの、上方修正幅は想定以上との見方に。据え置きの通期予想は上半期決算時に上方修正の公算が大きいと見られている。

<4062> イビデン 1762 +101大幅反発。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は109億円で前年同期比78%増益となり、従来予想の65億円を大きく上回る着地に。通期予想は180億円から210億円に上方修正。PCB事業の収益性が改善してきていることが確認され、同業の新光電工のような下半期の業績悪化懸念は払拭される状況にも。<8056> 日本ユニシス 789 -74急落。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は24億円で前年同期比43.5%減、従来計画25億円程度での着地となった。4-6月期が14.1億円で同55.9%増益となっていたため、上半期決算の上振れ期待は高かったと見られる。ただ、7-9月期は不採算案件の追加引当などで同7割超の減益と失速、失望感が強まる状況になっているもよう。下期の回復は見込まれているものの、上振れ期待などは後退する方向へ。

<1822> 大豊建設 370 -7さえない。先週末に上半期の業績上方修正を発表している。最終損益は従来予想の2億円の赤字から一転、2.4億円の黒字に増額修正へ。工事の進捗が想定を上振れていることが上方修正の背景としている。ただ、第1四半期の段階から黒字を計上していたこと、リニア関連需要の拡大など中長期的な需要拡大を織り込んで株価が上昇してきたことなどから、株価インパクトが強まる状況にはなっていない。

<8001> 伊藤忠 1195 +37しっかり。場中に上半期の決算を発表している。純利益は1651億円で前年同期比16%増益、従来計画の1300億円を上回る着地に。市場コンセンサスも1500億円前後であったとみられ、想定以上の上振れになっている。一方、三井物産は市場想定比下振れ決算を受けて決算発表後に下落、やや明暗を分ける形になっている。

<1332> 日本水産 206 +8決算発表後に一時急伸。上半期営業利益は53億円で前年同期比82%増益、従来計画の40億円を上回る水準での着地となった。在庫圧縮の進展、水産市況の上昇、円安効果などが業績上振れの背景に。第1四半期の増益率がほぼ横ばいにとどまっていたことでインパクトが強いようだ。また、比較的業績下振れ傾向が強い銘柄であるため、上振れ着地には素直に反応しやすい状況にも。

<2389> オプト 921 +83急伸。子会社のホットリンクが新規上場を発表、36.5%を保有する同社には含み益の拡大期待などが先行する格好のようだ。ホットリンクは、ソーシャル・ビッグデータ活用を支援するクラウドサービスの提供を主力事業としており、事前人気は極めて高い状況となっているようだ。

<2579> コカウエスト 2283 +295大幅高。先週末に第3四半期決算を発表、累計営業利益は133億円で前年同期比27%増益となるなど、2ケタ増収増益を達成している。また、希望退職者最大300人を募集などのリストラ策も発表している。モルガンでは投資判断を「アンダーウェイト」から「イコールウェイト」に格上げ、人件費削減策はサプライズ要因であり、来期への利益寄与度は想定以上に大きいと考えているもよう。来期営業利益は従来予想の178億円から211億円にまで上方修正している。

<6479> ミネベア 617 +89急伸。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は先の上方修正値(100億円→130億円)水準での着地となり、通期予想は192億円から270億円にまで上方修正へ。通期予想の市場コンセンサスは240億円程度であったとみられる。液晶バックライトの想定以上の好調、タイバーツ安効果などが業績上振れの背景に。

<5801> 古河電工 235 +14買い先行。クレディ・スイスでは投資判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパフォーム」に2段階格上げ、目標株価も200円から300円に引き上げている。神戸製鋼所のアルミ部門やフジクラなど、競合会社の利益上方修正が目立ってきており、同社の利益も下振れ懸念から上振れ予想へ改めるとしている。また、35年程度である電線ケーブルの更新サイクルが回復期に入りつつあることにも注目と指摘。《FA》

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