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20代、30代の男性が「幸せではない」理由
先月、内閣府が公表した「生活の質に関する調査」によると、日本人の幸福感は10点満点中6.69点で、前回調査(2012年3月)の6.6点とほぼ変わらない結果となった。女性の方が全体的に幸福感は高く、15~19歳を除くすべての世代で女性の方が男性よりも幸福感が高かった。特に20代、30代男性の幸福度は他の世代と比べて低く、同世代の女性との差も大きくなっている。
「あなたは全体として最近の生活にどの程度満足していますか」という「生活満足度」については、日本人の平均は6.2で、「幸福感」の6.69よりもやや低い値となった。生活満足度も女性の方が高く、10代を除く全ての年齢で女性が男性を上回っている。特に20代、30代男性の生活満足度は、他の層に比べて低い。
なぜ20代、30代の男性は幸せを感じにくく、毎日の生活に満足できない傾向にあるのか。世代別に「幸福感を判断する際に重視した事項」(=「幸せの物差し」)をみると、10代では「友人関係」、20代は「自由な時間・充実した余暇」、30代は「家族関係」、40代は「家計の状況(所得・消費)」、50歳以上では「健康状況」となっている。
つまり、20代男性は「自由な時間や充実した余暇」がない人が多いために、30代男性は「家族関係」に何らかの不満を抱いている人が多いために、幸福感が低くなっているのではないか。
背景には長時間労働で、十分な余暇や家族との時間が取れない人が多いことが関係しているとみられる。国際的に長時間労働の節目となる「週50時間以上」働く正社員の割合は、男性で45%と半数近い(女性でも24%)。さらに労働時間が長い人ほど、「常に締切に追われている」「自分の仕事は要求が厳しくストレスが多い」との回答が高くなる傾向にあり、労働時間が長い人ほど仕事に強いストレスを感じていることが分かる。20代、30代男性の幸福度が低い要因のひとつは、日本の過酷な職場環境にあるといえそうだ。(編集担当:北条かや)
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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