ロート製薬 新機軸の超・高粘度目薬を新発売

2013年9月28日 20:46

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記事提供元:エコノミックニュース

「ナノアイ」シリーズを両手に記者の前で自信に満ちた表情を見せるロート製薬 代表取締役社長 兼COO 吉野俊昭氏

「ナノアイ」シリーズを両手に記者の前で自信に満ちた表情を見せるロート製薬 代表取締役社長 兼COO 吉野俊昭氏[写真拡大]

 OTC薬で目薬首位のロート製薬は18日、超・高粘度で新機軸を開拓した目薬「ナノアイ」シリーズを10月10日より発売すると発表した。

 従来の目薬の約400倍という高い粘度が特長の本製品の秘密は、同社の人気スキンケア製品「ザラプロ」などにも配合されている技術「カルボキシビニルポリマー」(以下CVP)にある。このCVPは、容器の中では高粘度を保っているものの、涙のミネラル分と融合した瞬間、粘度が変化し、しゃばしゃばの液体になる。この特長を活かし、かつてないさし心地を実現させた。

 粘度を持たせた利点は、点し心地に加えて、ほんの小さな1滴でも点眼可能ということだ。従来の目薬では、目にとどまる液量より点眼1適量のほうが多く、点眼したあと薬液が外にこぼれてしまうことがあった。しかし、このナノアイなら、小さな薬液を確実に眼球の上に留めることができるのだ。通常の粘度では、眼球で薬液が跳ね返るために極小1滴では点眼できない。メイク後の点眼でも、薬液がこぼれてメイクが崩れたり、化粧が目に流れ込んだりというトラブルも防げる。そして、まばたきによって涙と融合すると、途端に薬液は粘度を失って眼球表面全体にまんべんなく行き渡る。

 しかし、粘度が高いため、従来の容器で使用するのには問題もあったという。従来品の目薬容器の場合、一滴の量は約30~40マイクロリットル。しかし、CVPの特長を最大限に活かすための最適量を検討した結果、12~15マイクロリットルという数字が導き出された。そこで同社は、従来品の半分量以下の一滴を射出できる専用容器の開発に乗り出したのだ。

 もともと、ロート製薬は創業以来104年間の歴史の中で、3度に渡って画期的な目薬容器を開発している。1931年に日本発の両口点眼薬を開発し、1964年には同社の看板製品でもある「Vロート」でガラス瓶からプラスチック容器に変更、さらに1987年には「ロートジー」でワンタッチタイプのツイスト式キャップを開発して話題となっている。

 今回、ナノアイ用に開発された容器は、従来の目薬容器のそれとは一線を画す、ノズルの細さが特長。その繊細なノズルから放出される極小の一滴が、かつてないさし心地を生み出すことに成功した。

 同シリーズは、清涼感の強い、ブルーのパッケージの「ロートナノアイ」と、充血に良く効く、赤いパッケージの「ロートナノアイ クリアショット」の2タイプがラインナップされる。とくに、クリアショットは、目からこぼれにくく、化粧崩れや拭き取る手間も防げるという利点から、20~30代の女性らを主な対象とした商品となっている。いずれも容量は6ミリリットルで、価格は819円。当面は日本国内のみの販売で展開され、10億円の販売目標となっている。(編集担当:藤原伊織)

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