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三菱重工、商業衛星の打ち上げを初受注 H2Aロケットの改良機を使用
三菱重工業は26日、カナダの大手衛星オペレーターであるテレサット社の通信放送衛星「TELSTAR 12V」の打ち上げ輸送サービスを受注したと発表した。三菱重工が商業衛星の打ち上げ輸送サービスを受注したのは今回が初めてとなる。打ち上げは2015年後半の予定。
通信放送衛星「TELSTAR 12V」は、テレサット社が運用する西経15度の通信放送衛星「TELSTAR 12」の後継機で、南アフリカ、大西洋、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)の広範なエリアをカバーする。テレサット社は9月初め、この「TELSTAR 12V」を衛星製造企業である仏Astrium社から調達すると発表している。
今回の打ち上げに使用するロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)において開発を進めているH2Aロケット第2段機体を改良する高度化開発の成果を活用するもので、衛星をより静止軌道に近い軌道に投入することが可能となる。今回はその初号機となる。なお、H2Aロケットは、これまで22機中21機で打ち上げに成功している日本の基幹ロケット。打ち上げ成功率は95.5%で高い成功率を誇っている。
テレサット社のダニエル S. ゴールドバーグ社長兼CEOは、「今回TELSTAR 12Vの打ち上げを三菱重工に発注するのは、他の打ち上げ事業者との広範囲な比較検討の結果。具体的には、三菱重工が提供するサービスが、技術・運用面での経験、打ち上げスケジュールの柔軟性、ロケットの性能、取引条件等のテレサット社の選定基準において、他の打ち上げ事業者より優れていた。テレサット社は、今回の三菱重工との協働が我々にとって新たな一歩を刻むものであると確信している。 テレサット社と三菱重工の協働関係が成功し、我々の最新の衛星が計画通り打ち上がることを楽しみにしている」と述べている。
また、三菱重工の淺田正一郎航空宇宙事業本部宇宙事業部長は、「テレサット社は世界有数の衛星オペレーターであり、同社が今回の衛星打ち上げで当社を選んだことは、H2A改良機の優れた性能と高い信頼性を裏付けるものといえる。私たちは世界市場で競っていく高い能力と専門性を有していると自負しているが、テレサット社のような主要な衛星オペレーターが、多々ある打ち上げ事業者の中から当社並びに我が国の技術力を評価し信頼してくれたことに感謝するとともに、衛星打ち上げで同社と協力し合えることを楽しみにしている」と述べている。
なお、三菱重工は、2009年に海外顧客からの初となる韓国航空宇宙研究院の多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3、打ち上げは2012年5月)の打ち上げを受注した実績があるが、商業衛星打ち上げの受注は今回が初となる。
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