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【近況リポート】川崎近海:事業領域拡大へ挑戦!~オフショア・オペ社と業務提携で合意
川崎近海汽船<9179>(東2)は8月26日、株式会社オフショア・オペレーション(本社:台東区、代表取締役社長:吉田忠弘)と、今後需要が高まると見られる。[写真拡大]
■沿岸・近海で洋上発電、海洋資源探査・掘削設備の支援船業務へ進出
川崎近海汽船<9179>(東2)は8月26日、株式会社オフショア・オペレーション(本社:台東区、代表取締役社長:吉田忠弘)と、今後需要が高まると見られる、日本沿岸や近海での海洋資源の探査・掘削設備及び洋上再生可能エネルギー設備に関する支援船業務について業務提携することで合意した。
協業の具体的内容は今後の協議に委ねられるが、近々合弁会社を設立し、オフショア・オペレーション社所有フリートの1隻を使った共同運航を手始めに、両社メリットを活かした事業領域開発に取組む。
当面、今後発展が期待される分野についての情報収集、営業開拓およびコンサルティング事業などの事業展開について検討する模様だ。
新合弁会社が予定通りの進展した段階で、曳航力・ウィンチ能力等で国内現存船の性能を上回る強力な支援船(AHTS)を新造投入するなど、フリートを増強し、より付加価値の高い支援サービスが提供できる体制を目指す。
同社はこれまで、内航・近海航路、フェリー航路で輸送業務中心の事業展開に徹してきたが、今回の海洋での施設運営に対する支援船事業進出を図ることで、運航ノウハウの有効活用に加え、新たな事業領域の開拓を通じ、新たなノウハウ蓄積、新ビジネス領域で事業拡大への大きなチャンスであり、今後の動向が注目される。
【業務提携の背景と狙い】
■海洋開発事業強化など政策見直し視野に、両社メリット活かす提携へ
わが国は領海・排他的経済水域(EEZ)等を合わせた資源開発権のある海洋面積は領土の12倍(世界6位)の広さがあり、石油・天然ガス等のエネルギー資源、希少金属など鉱物資源が確認されている。一方、我が国の海洋開発事業はアジア域内で遅れが目立ち、政府は4月に海洋基本計画見直しを決め、海洋開発事業の強化・育成政策を推進する。具体的にはメタンハイドレート採掘、石油・天然ガス等のエネルギー資源、海底鉱物資源の分布状況・埋蔵量の探査、発掘へ向けた動きが高まっている。 両社はこうした動きを踏まえ、オフショア支援船業務の需要増、実証実験に入った洋上風力発電でも、設置、維持、管理、警戒など支援船業務が求められるのは必至と見て、領域内での海洋開発に関わる本格的なオフショア支援船運航を共同で目指す。川崎近海汽船は近海・内航事業での信頼性と資金調達力に加え、親会社である川崎汽船および海外グループ会社が、既にこの分野での経験・情報を持ち、オフショア・オペレーション社は近海域で海洋資源開発支援(オフショア事業)で豊かな経験・実務ノウハウを持つとともに、資源開発関係顧客との関係が深い。今回の業務提携は両社のメリットを活かす選択肢として選ばれた。
■通期業績展望:増収増益基調維持する2Q 連結業績の増額修正に期待
先に、14年3月期上期前半(4~6月)の連結業績は、前年同期に比べ3.7%の増収となり、利益面では各利益とも黒字で着地し、前年同期に比べ様変わりの好業績となった。 「内航部門」が定期船・不定期船輸送並びにフェリー輸送の3部門ともに輸送量が増えて増収となり大幅増益となった。また、「近海部門」は年度契約のバルク輸送、輸入合板など木材輸送が前年を上回ったが、チップ輸送は輸送量減、鋼材・雑貨輸送は仕向け先により斑模様で推移し0.6%の増収に止まったが、損益面では営業損失ながら前年同期に比べ4割以上収益が改善した。
同社は第1四半期実績が好調に推移し、昨年に比べ利益面で好調に推移したものの、中間期、通期連結業績見込みについて5月8日の発表を据え置いたが、足元の状況は、内航船部門が高水準で推移し、近海船部門も上期前半以上の水準を維持していると見られる。また、観光シーズン入りしたフェリー輸送も新造フェリー「シルバーエイト」を6月に投入、「シルバープリンセス」とともに新造船2隻体制でのフル稼働で輸送力が増え業績アップに寄与している。
こうした状況を見ると、上半期業績は期初に公表した業績見込みを上回ることは間違いなさそうだ。第2四半期業績が明らかになる時点での上半期業績及び通期業績見込みの増額修正が期待される。【写真:新造フェリー「シルバーエイト」】(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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