【話題】どう見る日経平均上昇、トヨタ株の下げ

2013年8月21日 16:25

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■トヨタの下げは全般相場調整の最終局面とも

  トヨタ自動車 <7203> の株価が21日(水)は140円安の6020円と大きく下げ、終値でも安値水準の6030円だった。日経平均のこの日は途中、安かったものの終値では27円高と対照的だった。

  こうした今日の展開に対しマーケットでは、「調整相場の最終局面」という見方と、逆に「本格調整の始まり」と、いう見方に分かれ話題となっている。とくに、同社株は全般相場に対し「指標的」な存在ということから同社株の動きが重要視されている。

  先ず、注目されるのはトヨタ株と日経平均は、これまでほぼ連動して動いていることである。両者が年初来高値をつけたのは同じ5月23日で、その後、6月安値のあとの戻り高値も7月19日で同じだった。ところが今日、両者に大きい差の生じたことが先行き見通しの強弱感につながっているわけだ。

  マーケットで取材すると、日経平均もトヨタ株も短期的には底打ちが近いとの見方だった。その一番の理由は、足元では日経平均がズルズルと下げていたのに対し、トヨタは6100円台で値を保っていたため、今日の下げとなったという。たとえば、前日(20日)までの年初来高値からの下げ率を比較すると、日経平均の15.9%に対しトヨタは8.8%にとどまっていた。つまり、「トヨタが日経平均を追いかけて下げた。踏ん張っていた内容の良い銘柄が下げるときは全般相場の調整は最終局面になることが多い」(中堅証券)という見方である。

  もちろん、トヨタは日経平均と同じ下落率の15.9%まで下げる心配はないのかという疑問はあるだろう。この点について参考となるのは、6月安値のときもトヨタは日経平均の下げ率より小さかったことである。業績の良い優良銘柄は全体に対し下げが小さいとみてよいわけだ。

  円安の材料は手がかりにはならなくなっているが、今3月期を増額修正しているトヨタは好業績銘柄として注目される。全般相場も夏枯れの閑散相場で出来高面からは『陰の極』といえる場面で、とくに、トヨタが最後に下げてきたことで全般相場の底入れは近いといえるのではなかろうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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