(韓国)スマホ市場が飽和:低価格帯の台頭と利益率の縮小、サムスンには試練

2013年7月31日 09:36

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記事提供元:フィスコ


*09:36JST (韓国)スマホ市場が飽和:低価格帯の台頭と利益率の縮小、サムスンには試練
韓国サムスン電子が26日発表した2013年4-6月期(第2四半期)決算では、営業利益が予想通り過去最高を更新したものの、稼ぎ頭である携帯端末部門では利益が前期を下回った。

携帯端末部門の利益は前期比3.5%減の6兆2800億ウォン(約5500億円)で着地。今年4月にはスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーS4」を大々的に発売したものの、市場競争の激化に押された可能性がある。

BNPパリバ証券の調査によると、500米ドル(約5万円)以上の高価格帯スマホの販売は、第2四半期に大部分のメーカーで低迷している。

スマホ市場全体に陰りが出てきたわけではなく、2013年には市場全体で40%、翌14年には26%の成長が予想されているが、高価格帯の成長率は、それぞれ13%、3%にとどまる見込みだという。

一方、500米ドル以下の価格帯では、出荷台数が13年に86%、14年に35%増加すると予測。低価格帯市場をリードするのは中国企業で、今後のスマホ市場は中国が席巻する可能性が高まっている。

とはいえ、低価格で攻める中国企業の利益率は低い。現在、米アップルとサムスン電子がスマホ市場の売上高63%、営業利益(損失を除く)の95%を牛耳っている。中国メーカーではレノボが損益トントンになる一方、TCLコミュニケーションズは赤字が継続。中国無線科技の利益率はほんの2-3%にとどまる。

スマホ市場は飽和状態に向かっており、サプライチェーンを巻き込んだ利益低迷時代に突入する可能性が高い。《RS》

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