訴訟や反対運動のため延期が続いていた米フロリダの「エコ都市」計画、そもそもが無理のある計画だった

2013年7月19日 06:00

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 米国・フロリダ州ではかつて、「環境に優しい都市を作る」という都市開発計画「Destiny」があった。この計画は訴訟や反対運動のために計画が延期され続けていたのだが、そもそもこの計画自体が最初からひどいものであったことが本家/.で取り上げられている。

 Destiny計画では、156平方キロの土地に8万8千~10万戸の住宅を作り、人口20万から25万の都市を造ることが計画されており、太陽光やごみからのメタン抽出、バイオ燃料などを利用した「持続可能なエネルギー供給」などが特徴であった。しかし、地元の反対や近隣にある空軍施設との干渉問題、そして資金運用に絡む問題などによりプロジェクトは停止状態となり、実現には至っていない。

 今回明らかになったフロリダ州地域局のメモや関係者の証言によると、当初からこの計画は無理があるものだったそうで、秩序のない都市計画によるスプロール化の可能性やエネルギー的に非効率な土地利用、天然資源へにダメージ、農業への影響などが考えられるものだったそうだ。そのため、開発が認められることはなかっただろうと関係者は述べている。

 「環境」をテーマにすることは悪いことではないが、それだけを掲げて残念なことになる、というのは世界共通のようだ。

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