アップル、アマゾンへの呼称訴訟を取り下げる

2013年7月15日 17:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 「アップストア」の呼称の使用権を巡って、米アップルと米アマゾン・ドットコムが争っていた裁判で、9日、米カリフォルニア州オークランドのフィリス・ハミルトン連邦地裁判事は、両社の要請によって審理を打ち切ることを決定したと発表した。

 米アップルはiPhone・iPod touch・iPad向けのアプリケーションのダウンロードサービスの呼称として「アップルストア」を使用していたが、2011年に米アマゾン・ドットコムがAndroid向けダウンロードサービスの呼称として「アップストア(Amazon Appstore for Android)」を使用し始めると、それを商標権の侵害と主張し、裁判所に使用禁止を求めていた。これに対して米アマゾン・ドットコム側は、「アップストアはあくまで普通名詞」と反論していた。

 今回のこの決定により、両方の会社が「アップストア」の呼称を使用出来ることとなり、また8月19日に予定されていた審理は開かれないこととなった。

 米アップルの広報担当者であるクリスティン・ハジュエット氏は、「これ以上訴訟を続ける必要はないと判断した」と述べ、さらに「提供するアプリ数は90万本を超え、ダウンロード件数は500億件となっている。ユーザーたちはどこでお気に入りのアプリがダウンロード出来るか、もうすでによく知っている」とも述べた。

 米アマゾン・ドットコム側の代理人、マーティン・グリック氏は、「訴えを一方的に取り下げたのはアップル側であり、このことでアマゾンが『アップストア』の呼称を自由に使用出来るようになった」と述べている。

 そしてアマゾン・ドットコムの広報担当者、メアリー・オサコ氏は「最終的に裁判所が訴訟を打ち切ったことに、我々は非常に満足している」とコメントし、「これからも、ユーザーたちに最高のアップストア体験を提供していくことに、最大限努力したい」と述べている。

 なお、フィリス・ハミルトン判事は今年1月に、米アマゾン・ドットコムによる「アップストア」の呼称使用により、「ユーザーが混乱し不利益を被った」とする米アップルの訴えを退けていた。(編集担当:滝川幸平)

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