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世界で認められた日本のエアライン
イギリスに拠点を置く世界最大の航空サービスのリサーチ会社・スカイトラックス社は6月13日、パリ・エアショーにおいて「THE WORLD AIRLINE AWARDS」の各部門と今年度の最も優れた航空会社を選ぶ「THE WORLD’S BEST AIRLINES 2013」を発表した。
THE WORLD AIRLINE AWARDSは、世界100か国、のべ1800万人にのぼる個人旅行客を対象に満足度調査を行い、さらにスカイトラックス社独自の調査を加えて、世界の空港や航空会社を評価するものだ。2001年以降、毎年実施されており、世界で唯一のエアライン・ランキングであることから、関連企業や航空ファンならずとも注目度の高いアワードとなっている。
今年度のベストエアラインには選ばれたのは、アラブ首長国連邦のドバイを本拠とする航空会社、エミレーツ航空。2位はカタール航空、3位はシンガポール航空、4位は全日本空輸(ANA)<9202>、5位はアシアナ航空の順となっており、ANAは昨年の5位から、1ランクアップの4位となった。ANAはさらに、空港スタッフのサービスを評価する「World’s Best Airport Services」と、機内の清潔さを評価する「Best Aircraft Cabin Cleanliness」の2部門で最高賞を受賞している。
ANAは3月にも、スカイトラックス社が運営する「エアライン・スター・ランキング」の格付けにおいて、これまでの「4スター」から1ランクアップを果たし、最高評価の「5スター」を獲得している。他に5スターを獲得しているエアラインは、シンガポール航空、アシアナ航空、マレーシア航空、キャセイ・パシフィック航空、カタール航空、ハイナン航空で、日系エアラインとしては、ANAが史上初の快挙となった。
一方、日本航空(JAL)<9201>も、残念ながらTHE WORLD’S BEST AIRLINES 2013 TOP10のランキング入りは逃したものの、ビジネスクラスシートの中で最も優れていると評価され「Best Business Class Airline Seat」を受賞した。受賞にいたっては、JALの展開する新ビジネスクラスシート・スカイスイートについて、その「プライバシー性の高さ」と「フルフラットの状態にしたときのベッドの広さ」が世界の旅客から高く評価されたもので、こちらも日本の航空会社では初めての栄誉となった。
スカイスイートは、現在、成田=ロンドン線、成田=ニューヨーク線に導入されており、13年7月16日からは成田=パリ線、11月には成田=ロサンゼルス線、14年1月にはシカゴ線と、導入路線を順次拡大する。
日本では昨年、国内初のLCCが相次いで就航して話題となったが、航空機での移動時間を「旅の一部」と考えるか、単なる「移動手段」と考えるかで、選択肢も評価も大きく変わってくるだろう。
日本を代表する二大航空会社であるかぎり、LCCに対抗して安易な価格競争に突入するのではなく、これからも満足度の高い空の旅を提供してくれるエアラインであり続けて欲しいものだ。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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