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10億DLのアプリで、ポケットの中に世界の教授を持ち歩く
2007年6月にアメリカで初代iPhoneが発売されたとき、世界に衝撃が走った。
デジタルオーディオプレーヤーであり、携帯電話であり、インターネットや電子メールの送受信等が行える携帯情報端末でもあるiPhoneは、携帯電話市場に革命を起こし、現在隆盛を誇るスマートフォン、タブレットブームの原点となった。iPhoneを利用することで、我々はポケットの中に多くのものを持ち運ぶことができるようになった。音楽やゲーム、雑誌や映画、辞書、そして大学だ。
スマホやタブレットを「学び」の道具として活用する人は増えているが、その中でも、知的欲求を満たしてくれる究極のアプリとして「iTunesU」が注目を集めている。
iTunesUはTunes内のサービスの1つで、スタンフォード大学やハーバード大学、MITなどといった有名大学の、超一流教授の講義やプレゼンテーションを映像と音声で聴講することができる。また、Podcastとして登録しておいたり、ブログに貼り付けたりもできるのも魅力だ。13年2月末、コンテンツのダウンロード数が10億DLを突破したとAppleが発表したことで日本でも話題になった。
iTunesUには世界各国の教育機関が参加しており、13年3月現在で、講義を提供している大学は1200校以上、中学・高校は1200校にのぼる。アメリカの大学だけでなく、イギリスのケンブリッジ大学やオックスフォード大学など、世界のそうそうたる有名大学が名を連ね、提供されている講義数は2500以上。ダウンロード可能なコンテンツ数は7億件にもなるという。日本からも、東京大学や京都大学、明治大学、慶応義塾大学、早稲田大学、多摩美術大学等の有名校が多数参加している。講義はもちろん無料で視聴でき、25万人以上の利用者を誇る。
もともとは、2005年にスタンフォード大学がApple製品を使う学生ユーザーに、教育コンテンツを無料で配信するためのものとして立ち上げられたものだったが、それが話題となり、他大学の参加が始まると、さらに一般市民までもがその有用性に興味を示し、初代iPhoneの発売よりも約一ヶ月早い、07年5月についに「iTunes U」として提供されることになった。
そして、12年初めにiOS向けのiTunes U専用アプリがリリースされたことで、さらに利便性が高まり、学生専用だったコンテンツが一般にも開かれたことで、世界中で利用されるようになった。ちなみに、ダウンロードの60%以上は米国外からのアクセスになっているという。
手のひらの中に世界の大学を持ち歩けるなんて、なんと贅沢な世の中だろう。音楽を聴いたり、ゲームを楽しんだりするのもいいけれど、たまには知的な世界にどっぷりとつかってみるのはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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