【相場熟者が答える投資相談】宝ホールディングスを800円で3000株保有、下げてきたが見通しを

2013年5月12日 08:18

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【問い】 宝ホールディングス <2531> を800円で3000株持っています。下げてきているようですが、今後の見通しと対処方向をよろしくお願いします。

■急騰で利益確定売りが出やすい、PER52倍、いったん売却を

  【答え】 5月10日は、70円安の1174円と続落し、9日につけた年初来高値1337円から利益確定売り優勢の展開となっています。iPS細胞人気で急騰していたタカラバイオ株を8,000万株(70.8%)保有していることから、評価益が膨らんでいることに加え、信用取組倍率1.21倍の好取組であることも後押し、同社株に呼応する形で短期資金が流入しました。10日には、円相場が円安に傾き、目先物色の矛先がバイオ関連から主力の輸出関連に移ったため値を消す動きとなっています。

  足元の業績、9日に発表された14年3月期業績見通しは、中核企業である宝酒造が原材料価格の高騰による影響を、継続的なコストダウンで緩和し、円安による海外子会社の利益増も、販売促進費などの増加で営業微減益を予想。タカラバイオクループでは、研究用試薬と遺伝子医薬が増加し営業微増益を予想。宝ヘルスケアでは、販管費の抑制で初の黒字化を予想し、グループ全体の売上高は2063億円(前期比2.6%増)、営業利益は92億円(同0.7%増)、経常利益は94億円(同1.1%増)、純利益は49億円(同4.5%増)を見込んでいます。

  株価は、1月24日の年初来の安値682円から5月9日に年初来の高値1337円と約2倍に買われました。今期予想PER52倍と割安感はなく、タカラバイオの株価に左右される展開が続くと予想されます。テーマ株の循環物色が続き買い直される場面も想定されますが、直近8日安値1120円を割り込めば、目先調整色を強める可能性がありますので、いったん売却し様子を見るのが賢明でしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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