解熱鎮痛薬「アセトアミノフェン」は心の痛みも和らげる?

2013年5月9日 06:00

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 アセトアミノフェンは身体の痛みだけでなく、心の痛みも和らげるとの研究が発表された(The Atlantic本家/.)。

 タイレノールといった市販薬でも手に入れられるメジャーな痛み止め「アセトアミノフェン」は摂取しても眠気を催さず、中毒性もないとのことで非常によく用いられる。このアセトアミノフェンは道徳的判断を左右するとの研究がこの度発表された。

 ブリティッシュ・コロンビア大学が行ったこの研究ではタイレノールを摂取させた被験者とプラセボを摂取させた被験者に「死」について考させるといった実存的不安を呼び起こすような題材もしくは「歯医者に行くこと」という非実存的な題材について書かせた上で「売春で逮捕された人物に設定する保釈金」という質問に答えさせた。また、これとは別にシュールリアリスティックな映像もしくはアニメ「ザ・シンプソンズ」を見せたのちに「ホッケーの暴動で逮捕された人々への処罰」を判断させるという実験も行われた。

 どちらの実験でも、タイレノールを摂取せずに実存的不安を呼び起こされたグループはその後の質問に対し厳しい処置を設定したが、タイレノールを摂取した場合は摂取していないグループと同等の処置を設定したとのこと。

 この研究は実存的不安の度合いが道徳的判断の度合いを左右するということを意味している訳ではないが、アセトアミノフェンが見方や判断に影響を与えることを示唆しているとのこと。また、不確定要素などに過剰に敏感であったり、慢性不安に苦しむ人々にとっては、その仕組み解明や治療法開拓に繋がる可能性があるとのこと。

 ちなみに他にもアセトアミノフェンが社会的拒絶の痛みを和らげるとの研究もあるそうだ。

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