【忠田公夫の経済&マーケット展望】『相場は相場に聞け』、上昇トレンドは米国の量的緩和が縮小に舵を切るまで継続

2013年5月7日 15:57

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■成長戦略は外国人買いを刺激も

  これまでに記してきたが、中国などBRICs諸国の株価が伸び悩むなか、量的な金融緩和を背景に日本、米国、ドイツなど先進国の株式市場にリスクマネーが流入し、日経平均は1万4000円台、NYダウは1万5000ドル台、DAXは8000ポイント台を視野に捉え、なお上値を試しそうとしている。この上昇トレンドは米国の量的緩和が縮小に舵を切るまで、適当な調整を交えながらも継続するのではないだろうか。

  年初来の日経平均の足取りを終値ベースで振り返ると、1月は18日の1万0193円を高値に23日の1万0486円まで427

  円押し、2月は25日の1万1662円を高値に27日の1万1253円まで409円押し、3月は21日の1万2635円を高値に翌月2日の1万2003円まで632円と5%押しでキープ、そして4月は11日の13549円から18日の1万3220円に至る329円押しと、25日の1万3926円から翌月2日の1万3694円に至る232円押しと、2度の押しを見せたが小幅で終えた。昨年11月の終値8661円(ザラバ安値8619円)から6ヶ月足らずの短期間に1万4000円近くまで6割強の急上昇を示した割りには調整局面の下落幅と期間が極めて限定的なものにとどまっているのが特徴といえる。

  古来、『相場は相場に聞け』、とされるが、今回,日経平均の上昇プロセスを見る限り、なお上値余地を残しているものと想定される。今後3ヶ月間の注目イベントとしては、6月23日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)議事録の公表、6月中旬に北アイルランドで開催されるG8サミットと同時期のFOMCの内容、その直前とみられるアベノミクス第3の矢である「成長戦略」の中身、さらに7月に予定される参議院選挙に向けて安倍内閣の支持率がどう変化するのか、これらの動向に十分目を配りたい。中でも成長戦略の内容が外国人投資家の日本株に対する投資スタンスに与える影響を注視したい。(忠田公夫=経済・株式評論家・アナリスト。ナショナル証券投資調査部長、SMBCフレンド調査センター常務を経て現職。96年に日本経済新聞社・日本経済研究センター主催の関西経済人・エコノミスト会議において優秀エコノミスト賞受賞)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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