1985・86年型相場と類似、「国策に逆らうな」、3~4年は強い=犬丸正寛の相場展望

2013年4月12日 16:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  来週(15~19日)の相場も強そうである。日経平均は12日(金)には一時、1万3568円まで買われ、昨年11月の8619円からの上昇率は57.4%に達している。

  上昇率だけでみると過熱感の印象で、手を出し難いことはある。しかし、2つの点でこれまでの相場とは大きく異なる。(1)政府、日銀が一体となった物価2%目標、(2)これまでのデフレ下で株価水準が低い位置に置かれ過ぎていた───ことがある。

  政府、日銀の一体政策はかつてないことであり、物価2%は「国策」である。相場格言にも『国策には逆らうな』と教えている。現在の金融緩和政策は1985、86年頃と類似しているようでもある。日経平均はその後、1989年の史上最高値3万8915円へ向けて上昇した。1989年は言うまでもなくバブル経済の最盛期であり、この意味では、現在はバブル経済が芽吹いたところで、3、4年先にはバブルが燃え上がるというシナリオも予想される。「国策」に従えば、この先、多少の振れはあっても基調の強い相場が続くとみておかなくてはいけないだろう。一旦、利食いすると次は買い難くなるので必ず半分はタネ玉として残しておくのがよいだろう。

  これまでの低い水準と比較すれば高所恐怖となることは理解できる。しかし、日経平均が2008年から2012年まで7500~9000円に放置されていたこと自体が異常だったともいえる。この間、欧州不安から経済等の底力があるとして「円」が買われた。しかし、「円」は買われたものの「株」は見送られたままだった。とくに、日本のデフレが問題視されていたが、それが脱デフレ政策、しかも「国策」だから、これまでの低水準に置かれていた株価とは比較にならない。1万11406円のフシを抜いた時点を新しい相場の起点と置くべきだろう。そこをスタートとみれば現在はまだ18%の上昇にすぎない。

  短期的には波乱も予想される。日経平均は日足チャートで30日線との乖離が9%超に拡大、26週線でも20%超に拡大しているからだ。当然、利益確定売りに押されるところである。

  足元では、消費関連の多い2月期決算が発表されている。総じて好調である。続いて、3月期決算もこれから本格化する。とくに、2014年3月期の好調が予想され、大幅増益銘柄は大きく評価されるだろう。ここからの投資スタンスは好業績見通し銘柄にマトを絞り、移動平均線乖離が拡大したら利食い、調整で移動平均線に接近したら買いでよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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