NASA、系外惑星探索衛星と中性子星観測装置を2017年打上へ

2013年4月11日 17:15

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記事提供元:sorae.jp

Image credit: the TESS team

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 宇宙空間における科学観測を実施する NASA のエクスプローラー・プログラムは、2017年に打ち上げるミッションとして系外惑星探索衛星 TESS と中性子星観測装置 NICER を採択した。

 TESS は「トランジット系外惑星探索衛星(Transiting Exoplanet Survey Satellite)」の略で、恒星の前を惑星が通過(トランジット)するときのわずかな減光を検出して太陽系外惑星を探す。2009年に打ち上げられて現在も運用中の系外惑星探索衛星ケプラーとよく似ているが、ケプラーが極めて狭い範囲の恒星しか観測していないのに対して、TESSは全天に望遠鏡を向ける。我々から比較的近傍の恒星に、生命に適した質量と軌道を持つ惑星を見つけるのが目標だ。

 NICER は「中性子星内部組成探査(Neutron star Interior Composition ExploreR)」の略で、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されるX線検出器。X線の時間変化を高精細で測定することで、ブラックホール一歩手前の高密度まで圧縮された天体である中性子星の表面や内部の構造を調べる。

 TESS と NICER は昨年9月に提案された4つのミッションから選ばれた。NASAのエクスプローラー・プログラムは1958年のエクスプローラー1号に始まり、これまで90以上のミッションを打ち上げている。

 ■NASA Selects Explorer Investigations for Formulation
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2013/apr/HQ_13-088_Astro_Explorer_Mission_.html
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