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病原体研究者におけるインサイダー攻撃の脅威
あるAnonymous Coward 曰く、 2001年に5名の死者を出したアメリカ炭疽菌郵送事件は、最悪のバイオテロと認識されている。この事件の犯人としてさまざまな団体や人物の関与が疑われていたが、司法省は最終的に米国陸軍医学研究所(USAMRIID)の微生物学者Bruce Edwards Ivinsの単独内部犯行だったと結論づけた。Bulletin of the Atomic Scientists紙のDerrin Culp氏の記事によると、司法省は「希望的観測」により問題範囲を最小限に抑えることで事件の収拾を図ったようだ(Bulletin of the Atomic Scientists、本家/.)。
アメリカの学術研究会議(NRC)とバイオセキュリティ諮問委員会は、この事件のような病原体研究者によるインサイダー攻撃にどう対処するかを検討した。核兵器や核分裂性物質の研究を行う研究者や軍関係者と同様に、アルコールや薬物使用などの無作為検査が必要という意見もあった。しかし、最終的に両委員会は、危険な病原体の研究のために働いている科学者たちの意識を考慮し、これまで通りの監視体制や検閲などの手順で十分に対処できると結論付けている。
米政府は2012年10月、危険な生物・化学研究に関する規則をアップデートした。新規則では明白にインサイダーの脅威について記述されているものの、先の専門家の勧告を受け入れ、研究者に対しては規制当局は関与しないものとなっている。Derrin Culp氏は炭疽菌郵送事件の教訓がこの結論には生かされていないとし、微生物学者は、核関連技術の科学者が耐えている精査と同様な内容で管理されるべきだと主張している。
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